2014 Fiscal Year Annual Research Report
アルカロイド化合物:ハルミンによる免疫制御機構の解明および免疫疾患への治療応用
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25670233
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
木村 彰宏 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (20533318)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルカロイド / Th17細胞 / Treg細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はT細胞におけるハルミンの作用機序を解明した。Th17細胞分化時においてハルミンがStat3の活性化を抑制していることが明らかになった。このことによりハルミンはTh17細胞分化を抑制しているものと考えられる。一方でハルミンはTh17細胞およびTreg細胞分化時におけるSmad2の活性化には影響しないことも明らかになった。以上の結果からハルミンはTGF-bのシグナルを直接的には抑制していないことが示された。今後はハルミンがどのようにIL-6のシグナルを抑制しているのかを解明していく必要がある。 昨年度にマクロファージにおいてハルミンは標的因子Xを介してIL-6などの炎症性サイトカインを抑制していることを明らかにした。T細胞においてもハルミンがこの標的因子Xを介して作用しているのかを解析した。標的因子X欠損T細胞を用いてTreg細胞分化におけるハルミンの効果を調べたとこと野生型T細胞ではTGF-bによるTreg細胞分化はハルミン添加により促進されていたが、標的因子X欠損T細胞ではハルミンによる分化促進作用がキャンセルされていた。 またTh17細胞分化においても同様に調べた所、野生型T細胞ではハルミンによりTh17細胞分化が抑制されていたが、標的因子X欠損T細胞ではハルミンによる分化抑制効果がキャンセルされていた。以上のことからマクロファージと同様にT細胞においてもハルミンは標的因子Xを介して薬理作用を示していることが明らかになった。
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