2013 Fiscal Year Research-status Report
分子標的薬に最適な承認審査を構築する~レギュラトリーサイエンスの新たな展開~
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25670240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
吉岡 孝志 山形大学, 医学部, 教授 (90271981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成松 宏人 山形大学, 医学部, 准教授 (50524419)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 分子標的薬 |
Research Abstract |
申請者らは公知申請で承認された抗癌剤において、日本の審査当局の判断についてクリティカルレビューを行い、その妥当性を評価する方法を確立した。本研究ではさらにこの手法を進めて、分子標的薬承認に適応した審査方法の確立を目指すために、1)日本で承認された分子標的薬についてのクリティカルレビュー、2)医師の分子標的薬に対する使用実態調査、3)レビュー結果と実臨床との比較、の3点について研究を計画した。 当該年度の研究成果は、1)平成24年7月時点で保険収載されている分子標的薬を医療用医薬品集2013より抽出し、20の分子標的薬を抽出した。それらの薬剤について、医薬品医療機器総合機構(PMDA)で公表している審査報告書から、審査に用いた評価資料などの情報を収集し、審査に使用されたデータのエビデンスレベルや審査に要した期間、審査で議論された点などの調査を行い、分子標的薬の承認審査の特徴をまとめた論文を作成中である。2)分子標的薬の使用実態に関し、膵癌患者が分子標的薬を使用しなかった選択理由に関する症例報告を作成、学術雑誌に投稿中(査読あり)である。3)医師の分子標的薬の使用実態調査を目的としたアンケート調査を計画し、山形大学倫理委員会に申請したところ、回答は匿名であり連結非可能匿名化であることから倫理委員会の承認は不要との判断された。分子標的薬のクリティカルレビューの結果を踏まえ、アンケート用紙を作成中であり、がん拠点病院の医師にアンケート調査を実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に計画していた分子標的薬のクリティカルレビューを実施し、承認審査時に問題視や議論されていた点、承認審査に必要とされる学術論文のエビデンスなどの実態を明らかにした。結果については学会発表は行わず、論文を作成し間もなく投稿を行う。また、医師に対するアンケート調査の前に、分子標的薬使用に関する患者の選択理由についての症例報告を作成し、医師に対するアンケート調査の内容に反映させている。倫理委員会にはアンケート調査について承認不要と判断されており、アンケート調査の準備を進めている。今年度中にアンケート調査の結果を解析し、レビューとの比較の実施は可能と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
作成した分子標的薬のクリティカルレビューについての論文を投稿する。がん拠点病院で分子標的薬を扱う医師を対象に匿名のアンケート調査を実施し、収集・結果の解析を行い、医師の分子標的薬に対する使用実態を明らかにする。クリティカルレビューで明らかにした問題点とアンケート調査で明らかにした問題点を比較検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度に計上していた人件費や物品費は、アンケート調査に合わせて次年度に持越しとなった。研究成果の公表をまずは学会発表ではなく学術論文での公表としたため、初年度の旅費が少なくなった。 アンケート調査に際し、アンケート作成費( 郵送料・印刷費・通信費)、データ入力集 計委託料に使用する。またデータ回収や整理のための研究補助の人件費に使用する。結果公表のためのホームページ作成の委託料にも使用する。
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