2014 Fiscal Year Research-status Report
根拠に基づく医療面接教育方法開発のための医療コミュニケーション研究の基盤構築
Project/Area Number |
25670243
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 ひろの 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40384846)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 恵子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00444274)
野呂 幾久子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10242752)
藤崎 和彦 岐阜大学, 医学部, 教授 (60221545)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 医療コミュニケーション / 医療面接教育 / 相互作用分析 / RIAS |
Outline of Annual Research Achievements |
医師の対人関係・コミュニケーション能力に対する社会的な関心が高まる中、我が国においても、少しずつ医療コミュニケーションの実証研究や教育が行われるようになってきた。しかし、多くは単施設・小規模で実施され、臨床経験に基づく鋭い視点に基づきながらも方法論的な不十分さが残る研究や教育プログラムも少なくない。本研究は、日本における医療コミュニケーション研究・教育の支援基盤を構築し、研究・教育・臨床を結びつける実証研究を促進するとともに、それらの結果を統合し、根拠に基づいた医療コミュニケーション教育プログラムを提言することを目的とし、H26年度には以下について実施した。 ・RIAS コーディングマニュアルおよび分析ソフトウェアの改良: RIAS のコーディングマニュアルの日本語訳は出版されているが、各カテゴリーの発話例がわかりやすいよう、日本語の診療場面を題材にコーディングの練習問題を作成し、ワークショップで使用した。ワークショップでの質問などを踏まえ、引き続きマニュアルやQ&Aの改善を行った。 ・RIASワークショップの開催: これまでのワークショップを引き継ぎ、3日間で、RIAS の概要および研究・教育における利用方法の基礎を学び、実際に模擬医療面接のコーディング練習を行うワークショップを2014年10月24-26日に名古屋大学で開催した。17名 の受講者があった。 ・研究分担者の阿部がJohns Hopkins大学のRoter教授を訪ね、日本におけるソフトの使用と改良について相談した。また、12th International Conference on Communication in Healthcareにおいて、Roter教授と石川、阿部がH27年度の招聘とシンポジウムおよびワークショップについて打ち合わせをした。 ・情報発信の基盤づくり: ワークショップの案内やRIAS を用いた研究紹介のために運用しているRIAS 研究会日本支部ホームページ(http://plaza.umin.ac.jp/rias/)を更新、整備しつつ継続運用した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RIASの分析ソフトウェアについて、RIASの作成者であり、ソフトウェアの配布も行っているJohns Hopkins大学のRoter教授との相談の結果、日本語表示のソフトウェアの開発はせず英語版のままソフトウェアの動作を確認、改良しつつ使用することで合意した。その分、ワークショップでの教育の充実を図るとともに、それを使用して何ができるのかの議論を深めるため、H27年度のRoter教授とRIASコーダーのLarson主任研究員を招聘するシンポジウムおよびワークショップの開催に注力することとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
H27年度は、Roter教授とRIASコーダーのLarson主任研究員を招聘して、シンポジウムおよびワークショップを開催し、研究の総括を行う。
|
Causes of Carryover |
RIASの分析ソフトウェアについて、RIASの作成者であり、ソフトウェアの配布も行っているJohns Hopkins大学のRoter教授との相談の結果、日本語表示のソフトウェアの開発はせず英語版のままソフトウェアの動作を確認、改良しつつ使用することで合意したため、ソフトウェア開発に関する経費の使用が少なくなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
ソフトウェアそのものを開発するのではなく、既存の英語版を使用し、その分、ワークショップでの教育の充実を図るとともに、それを使用して何ができるのかの議論を深めるために、H27年度のRoter教授とLarson主任研究員の招聘では、シンポジウムだけでなくワークショップを開催するなど、当初計画より充実した企画をするために使用する。
|