2013 Fiscal Year Research-status Report
女性医師の仕事への価値観の解明と相互理解を促すワークショッププログラム開発研究
Project/Area Number |
25670244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 元紀 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40621636)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 女性医師 / 労働倫理 / プロフェッショナルアイデンティティ / パーソナルアイデンティティ / ジェンダー |
Research Abstract |
H25年8月に本研究に関して名古屋大学生命倫理委員会での承認を受けた。 Purposive samplingにより未婚女性医師約10名を選抜した。うち9名について半構造化面接を終了した。また同様に選抜した既婚女性医師15名のうち2名について半構造化面接を終了した。 半構造化面接は事前に予定していた手順に従い、面接の内容は全てICレコーダーに録音し、面接終了後ただちに文字化して逐語記録を作成している。この面接調査の言語データから仕事への価値観に関する要素と未婚者・既婚者間の仕事への価値観をめぐるコミュニケーションについての要素をそれぞれGrounded theoryの手法を用いて分析し抽出している。分析については半構造化面接終了11名分のデータのうち8つが終了した。分析結果について月1回のペースで研究協力者と共にTriangulationを行なっている。Triangulationは分析終了データ8つのうち7つが終了した。 現時点でTriangulationを終了しているものの結果から、未婚女性医師では仕事を通して得られる自己効力感や社会的承認がプロフェッショナルアイデンティティ形成につながっており、これらを軸として既婚者との区別意識が形成されていること自身のジェンダーモデルや社会的な性役割期待などがパーソナルアイデンティティに影響を与えていることが明らかとなってきた。この結果については第29回日本医学教育学会で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
選抜した未婚女性医師・既婚女性医師の個別半構造化面接の日程調整が困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
未婚女性医師・既婚女性医師の個別半構造化面接を進め、随時分析・Triangulationを行ない、女性医師の仕事への価値観と、仕事への価値観をめぐるコミュニケーションの現状を明らかにする。 上記の結果をもとに「仕事への価値観の相違への気付きと相互理解を促すモデルワークショップ」プログラムを開発し、実施する。 第29回日本医学教育学会では、未婚女性医師の仕事への価値観について発表予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度に未婚・既婚女性医師を対象とした個別半構造化面接を計約25名に対し行なう予定であったが、個別半構造化面接の日程調整が困難であり実際には11名終了にとどまった。このため、個別半構造化面接実施に伴う旅費、音声データの文字起こしにかかる経費について未使用額を生じた。 約11名を対象とした個別半構造化面接の実施に伴う旅費、音声データの文字起こしの費用に充てる予定である。
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