2015 Fiscal Year Annual Research Report
双方向学習およびTBL活用を目指した電子ノートシステムの開発
Project/Area Number |
25670253
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
黒田 尚宏 金沢医科大学, 医学部, 助教 (80333160)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電子ノート / タブレットPC / 電子シラバス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、いつでもどこでも利用できるユビキタスな学習環境を提供するという全体構想の中で、新たな電子ノートの活用法を提案し、その有用性を検証することを目的としていた。今回は希望のあった19名の医学部第3学年の学生にタブレットPCを貸与し、各教員がWeb上の電子シラバスにアップロードした教材等を、そのタブレットPC上にPDF形式で配信できる仕組みを構築し提供した。これにより学生は学内で配信を受ければ、ネットのない環境であってもタブレットPC上でいつでも教材等を閲覧でき、更にその内容に直接手書き等のメモを追記できるため、「電子ノート」としての活用も可能となった。 年度末に学生にアンケート調査を行ったところ、使用頻度は「毎日」が11名と高く、電子ノートの使い心地は「大変良い」「良い」が18名と大変好評であった。利用場面としては講義中が最も多く、次に自宅、講義以外の学内、学外という順であり、ユビキタスな学習環境となっていることが窺えた。手書き等のメモ追記機能はほとんどの学生が使用していた。 電子ノートの利点としては、教材や資料に画像が含まれるケースが多く、それを拡大して細かい点を確認できるという点や、カメラ機能で資料等を撮影して取り込める点、持ち運びが容易な点などが挙げられた。一方、要望点として多かったのは、多くの教材の中から文字で検索したい、他のPDF閲覧アプリを使用したいなどが挙げられた。結果、19名中15名が次年度も継続利用することとなった。 これらの結果、電子ノートの有用性はかなり高いものと考えられる。ただし、元々の希望者がタブレットPCなどのIT機器に習熟している学生である可能性は高く、紙媒体と併用している学生もいたことから、すべての学生にとって有効かどうかは疑問が残る。しかし、学生の学習環境の一つとして希望する者に提供することにより、学習機会・学習効率が向上することは明らかとなったと言える。
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