2013 Fiscal Year Research-status Report
微小変化型ネフローゼ症候群におけるDNAメチル化を指標とした病態診断法の開発
Project/Area Number |
25670265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
渡部 登志雄 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (70375575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 靖子 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60451720)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ネフローゼ症候群 / DNAメチル化 / 病態診断 |
Research Abstract |
微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)は小児ネフローゼ患者の約75%を占める主要な疾患であるが、初発時、再発時には大量の蛋白尿を呈するが、寛解期では治癒との鑑別や再発の予知のための病態や症状の変化をとらえることのできるマーカーは知られていない。本研究では研究者のグループが同定したMCNS患者の病態の変化と相関してDNAメチル化が変化する遺伝子82種のDNAメチル化を指標としてMCNS患者の病態診断法を確立することを目標とする。 検体の採取:本研究では蛋白尿を呈する再発期、治療により蛋白尿が消失した寛解期、および年齢・性別を一致させた健常ボランティア末梢血から単核細胞(PBMC)を分離後、ナイーブT細胞を抗体磁気ビーズ法で分取しそのDNAのメチル化の変化をメチル化感受性制限酵素処理・定量PCR法によって解析する。現在までに再発時のサンプルを9患者分、寛解期2患者分のPBMCを採取・保存した。 メチル化感受性制限酵素HpaII法によるDNAメチル化率の検出:82遺伝子のうちIPA解析の結果、オントロジー解析、パスウェイ解析などの結果を総合して12の遺伝子をターゲット遺伝子として選定した。MIAMI法で用いたプローブを挟む上流・下流2か所のHapaII制限酵素サイト(CCGG)を挟む形で、メチル化検出プライマーを設計した。またHapaII制限酵素サイトの手前に、コントロールプライマーを設定した。 今後は、これらのプライマーを使って、コントロールDNA(完全メチル化・非メチル化)を利用してDNAメチル化検出の条件設定を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度、再発期のサンプルについては十分な数を採取することができたが、寛解期についてはそのうち2例のみ採取した。また、年齢・性別を合わせたコントロールサンプルについてはまだ採取できていない。今後よく協議の上、十分なサンプルの確保に努めたい。 メチル化検出については、プライマーの設計が終了した段階なので、今後コントロールDNAを用いた定量性の評価を行ってゆく。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度選択・設計したメチル化検出PCRプライマーを用いて、コントロールDNA(完全メチル化・非メチル化)およびその混合DNAを利用してDNAメチル化検出の定量性の検討を各プライマーについて行ってゆく。 。サンプル採取については、再発期に比べて寛解期のサンプルが不足するなどの問題があり、協力者と十分な打ち合わせを行ってゆく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度については、採取したサンプルはPBMCのまま凍結保存したため、抗体磁気ビーズなど細胞分取に必要な消耗品についての利用がなかった。 本年度採取した患者サンプルとともに、新たに採取したサンプルを保存するとともに、ナイーヴT細胞の分取を行ってゆく予定である。また、採取したサンプルのメチル化解析も開始する予定である。 細胞分取用ビーズ・試薬は次年度に使用、qRT-PCR用試薬、バイサルファイト用試薬、パイロシークエンス用試薬は予定通り次年度に使用。
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Research Products
(1 results)