2013 Fiscal Year Research-status Report
新規高感度迅速起因菌同定法とNF-κB病態解析法を統合した敗血症検査システム構築
Project/Area Number |
25670268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
北島 勲 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (50214797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁井見 英樹 富山大学, 大学病院, 助教 (50401865)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 感染症 / 微生物 / 一分子計測 / 敗血症 / 転写因子 |
Research Abstract |
本敗血症検査システムを構築するために、1)検体サンプリング、2)安定したバクテリアフリー状態での起因菌迅速測定法、3)起因菌同定解析用データベース構築、4)SIRS迅速病態解析のためのFCS法を基盤にした迅速NF-κB活性化定量開発、5)臨床検体を用いた検証の各ステップを推進した。1)は、EDTA含有血液5mLからリンパ球と上清からの細菌由来DNAサンプリングのプロトコールを確立した。2)はバクテリアフリーのeukaryote-made Taq polymeraseの安定供給ができる体制を共同研究者である北海道三井化学株式会社が確立した。細菌由来16S ribosomal DNAをプライマーにテンプレートにeukaryote-made Taq polymeraseを利用したリアルタイムPCRを構築した。細菌からDNA抽出課程ならびにプライマーの細菌DNAコンタミネーションフリーシステムの構築が完成した。血中細菌数定量化について、検討したが16S ribosomalは細菌によりコピー数が大きく異なることより他の測定箇所の検討を行っている。3)は16S ribosoma7箇所のリアルタイムPCR増幅産物からTm値を算出するTmマッピング法を構築し、ATCC等から得られた細菌標準株のTm値を検討し、100菌種のデータベースを作成した。4)は、1分子蛍光相関法を利用したリンパ球からのNF-κB活性定量測定法プロトコールを作成しその成果を公表した(PLos ONE8(9)e75579,2013)。5)は敗血症症例約50例の解析と胎児子宮内感染症迅速診断を目的に羊水検体測定を病院検査に導入している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究計画になる敗血症検査システムを構築するために、1)検体サンプリング、2)安定したバクテリアフリー状態での起因菌迅速測定法、3)起因菌同定解析用データベース構築、4)SIRS迅速病態解析のためのFCS法を基盤にした迅速NF-κB活性化定量開発、5)臨床検体を用いた検証の5段階がいずれもバランスよく予定以上に進行している。すでの1)、2)は研究が完了している。3)についても完了し既に学会報告は終わり論文執筆中の段階にある。4)については論文として公表することができ、FCS法を利用した転写因子解析法についてのスタンダードプロコトールを供することができた。現在は高血圧患者や糖尿病、メタボリックシンドローム等の慢性疾患の病態解析の研究へと発展している。5)については、胎児子宮内感染症迅速診断としてマイコプラズマ、ウレアウラズマ感染と細菌感染を区別できる羊水検体測定の臨床治験を遂行している段階に至っていることは当初の研究計画以上の進展であると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度が予定の計画以上に進展できたため、このまま継続して2年終了時には予定以上の成果が期待できる。とくに、①バクテリアフリーの細菌感染診断システムが構築できた成果は大きい。すなわち、細菌感染存在の否定診断(細菌感染がないという診断)が下せることは臨床的意義が大きい。この診断システムは、飲料水や環境水、食品、さらに医療器具洗浄など敗血症診断以外の領域へ発展できる可能性を検討してゆく。具体的には、コンタクトレンズ洗浄水の細菌存在診断をすでに検討開始している。2)この検査システムは微量検体での検討が可能であるため眼科感染症とくに眼房水中のバクテリア感染診断の検討を予定している。3)細菌DNAコピー数から血液サンプル中の細菌数を定量化する検査法の開発を行う。そのためにはデータベースから全ての細菌に1コピーしか存在しない標的遺伝子を検索し、その領域を特異的に増幅するプライマー設定等を検討中である。以上、平成26年度には当初計画以上の内容を含め一層の研究を実施してゆく。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Post-marketing surveillance of thrombomodulin alfa, a novel treatment of disseminated intravascular coagulation - safety and efficacy in 1,032 patients with hematologic malignancy2014
Author(s)
Asakura H, Takahashi H, Tsuji H, Matsushita T, Ninomiya H, Honda G, Mimuro J, Eguchi Y, Kitajima I, Sakata Y.
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Journal Title
Thromb Res.
Volume: 133(3)
Pages: 364-370
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] N-terminal pro-Brain Natriuretic Peptide as a Predictor of Reoperation in Children With Surgically Corrected Tetralogy of Fallot2014
Author(s)
Hirono K1, Sekine M, Shiba N, Hayashi S, Nakaoka H, Ibuki K, Saito K, Watanabe K, Ozawa S, Higuma T, Yoshimura N, Kitajima I, Ichida F.
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Journal Title
Circ J
Volume: 78(3)
Pages: 693-700
Peer Reviewed
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[Presentation] Thrombomodulin Alfa Treatment For Disseminated Intravascular Coagulation In Acute Promyelocytic Leukemia: A Retrospective Analysis Of The Open-Label, Multicenter Study Cohort.2013
Author(s)
Matsushita T, Watanabe J, Goichi Honda, Mimuro J, Takahashi H, Tsuji H, Eguchi Y,, Kitajima I, Sakata Y.
Organizer
55th American Society of Hematology Annual Meeting and Exposition
Place of Presentation
New Orleans, LA, USA.
Year and Date
20131208-20131211
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