2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670272
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
後藤 和義 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20626593)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メタゲノム解析 / 感染症診断 / 腸管粘膜免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、腸管感染症においてIgAが結合している細菌を分離することで感染症の次世代シークエンサーによる診断を容易にすることを目的とし、その分離・解析技術の確立を目指した。 健常人ボランティアから提供を受けた糞便を材料とし、常在細菌叢の中からIgAが結合している分画をセルソーターを用いて分離した。これを蛍光顕微鏡で確認したが、IgAに由来する蛍光を発する細菌は確認できなかった。そこで、代替法として準備していた磁性ビーズによる分離を試みた。IgA結合性の画分から核酸を抽出し、16S rDNAユニバーサルプライマーを用いてPCRを行ったところ、バンドが得られた。続いて、次世代シークエンサーによる菌叢解析を行った結果、その菌叢はビーズ未処理の糞便細菌叢のものと類似していた。前年度に行った、IgA結合性細菌の蛍光顕微鏡観察の結果によると、明らかにある特定の細菌がIgA結合性を示し、糞便全体の細菌構成とは異なっていた。このことからビーズによる分画処理は非特異的な結合に由来するものと推測された。ビーズへの非特異的な結合を防ぐため、ビーズ表面の官能基が疎水性のものと親水性のものを用意し、それぞれへの細菌の非特異的結合をリアルタイムPCRで見積もった。その結果、いずれのビーズへも少数ではあるものの細菌が非特異的に結合することがわかった。 これらの結果を合わせて考えると、IgA結合性細菌を高精度で分取するのは難しい技術であり、たとえFACSでIgA結合性のシグナルが出ていても蛍光顕微鏡などで確認をしなければならないと考えられる。このところ腸内細菌叢のIgA結合性画分を分取した論文が発表されているが、その分取精度については検討が必要と思われる。また、顕微鏡観察下でIgA結合細菌のみを分取するレーザーマイクロダイセクション法の利用を検討する必要もあると思われた。
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[Journal Article] Generation of colonic IgA-secreting cells in the caecal patch2014
Author(s)
K. Masahata, E. Umemoto, H. Kayama, M. Kotani, S. Nakamura, T. Kurakawa, J. Kikuta, K. Gotoh, D. Motooka, S. Sato, T. Higuchi, Y. Baba,T. Kurosaki,M. Kinoshita, Y. Shimada, T. Kimura, R. Okumura, A. Takeda,M. Tajima, O. Yoshie, M. Fukuzawa, H. Kiyono, S. Fagarasan,T. Iida, M. Ishii & K. Takeda
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 3704
Pages: 1-13
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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