2013 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子発現プロファイル手法による血液RNA診断に向けた基礎的研究
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25670282
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
高橋 淳子 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (80415702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩橋 均 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (60356540)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 血液診断 |
Research Abstract |
血液中には臓器や組織と同様にmRNA やnon-coding RNA の膨大な発現情報がある。次世代の臨床検査は、第4 世代シーケンサー等の遺伝子解析手法の飛躍的な進歩により、蛋白等による診断では行えない、疾病の初期の兆候を捉える高感度な血液RNA 診断が可能となる。我々が別課題で実施したマイクロアレイを用いた疾病モデル動物の全血RNA 遺伝子発現解析を行う過程で、疾病の進展に伴い白血球と全血の遺伝子発現プロファイルの相関が低くなり、データ解析により血液血RNA に対する臓器由来RNA の影響が確認された。そこで本研究では、臓器由来RNA を指標とする血液RNA 診断の可能性を探索することを目ざし、正常状態とストレス負荷状態の全血、白血球、血漿、臓器(肝臓、筋肉等)のRNA のプロファイリングを系統的に行い、生理状態の変化に伴う血液RNA の挙動を理解、把握し、血液RNA 診断の基盤情報とすることを目的とした。 平成25年度は、血液、臓器等のサンプリング手法、RNA抽出手法の条件検討を行った。対象とする臓器として、代謝が特に活発で遺伝子発現変化が大きいことが予測される骨髄、空腸等のRNAの抽出を行った。この過程で、空腸のRNAは多臓器と比較すると分解されやすいことが確認され、サンプリングおよびRNA抽出の対象区として有用であることが判明した。また、RNA抽出効率を確認し実験の妥当性評価を行うために、自然界に存在しない配列を有し、かつ高精度に濃度を規定した標準RNAを用いRNA分解条件下での標準RNA添加回収および評価試験を行った。試料サンプリング時に添加した標準RNAの定量PCRを行うことにより、抽出されたRNAの状態評価が可能であることを確認し、ここで得られた結果は論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿ったデータの取得、解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き研究改革に従い、データの取得および解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定した消耗品購入の一部を公費により行うことが出来た。 分析試験を予定より多く行い、より多くのデータ取得に努める。
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