2013 Fiscal Year Research-status Report
細胞外マトリクスプロテオグリカンを介する新規の感作機構の解明
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25670288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
水村 和枝 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (00109349)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | versican / MCP-1 / 侵害受容器 / 酸 / 機械痛覚過敏 / 機械反応 / IB4 / 感作 |
Research Abstract |
本年度は1)培養後根神経節細胞(DRG細胞)の機械感受性電流の酸による増強におけるVersicanの役割を確認した。また、DRG細胞の機械感受性電流が酸によって感作される場合、電流量が増大するばかりでなく、活性化閾値も低下することを明らかにした。 2)取り出し皮膚ー伏在神経標本から機械感受性C-線維受容器活動を記録し、MCP-1 の効果を調べた。また、versicanを発現するIB4(+)細胞の指標として、a,b-methyleneATP(metATP)に対する反応性を調べた。MCP-1 100ng/mlは30分の投与期間中に、記録した約半数の線維に興奮を引き起こした。これにはmetATPに対する感受性の有無による差は見られなかった。一方、機械刺激に対する反応はmetATP(+)線維群ではMCP-1 による増強が見られたが、metATP(-)線維群では有意な増強は見られなかった。また、MCP-1効果の細胞内・外機構を明らかにするため、DRG細胞 の機械感受性電流に対するMCP-1の効果も種々の濃度を用いて調べたが、明らかな増強は見られなかった。これらの事実は、MCP-1の痛み受容器に対する効果には、他の細胞が関与している可能性があることを示唆する。 3)versicanが後根神経節細胞レベルだけでなく、末梢侵害受容器活動においても酸による感作にかかわっているかを明らかにするため、筋細径線維受容器からの単一神経記録を行い、酸による機械反応の感作がversicanと競合するコンドロイチン硫酸の投与により抑制されるかどうかを調べた。0.3%のコンドロイチン硫酸の投与により酸による機械反応増強効果はほとんど消失した。この結果はversican が末梢でも働いていることを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
熱による感作について調べるところまでいけなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ATPやセロトニンなどイオンチャネル受容体を介する感作について、細胞外プロテオグリカンの関与を調べる。熱に対する酸の感作効果とそれにおける細胞外プロテオグリカンの関与を調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
薬品保存のために古くなった冷蔵ショーケースを買う予定であったが、まだ何とか機能していたので、購入を次年度に伸ばした。 夏を前に冷蔵ショーケースを購入する。
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Research Products
(5 results)