2013 Fiscal Year Research-status Report
血中アディポサイトカイン値の危険因子に関する縦断研究‐異所性脂肪蓄積との関係
Project/Area Number |
25670300
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
林 朝茂 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10381980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 恭子 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00381989)
上原 新一郎 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00628696)
圓藤 吟史 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20160393)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アディポサイトカイン / 異所性脂肪沈着 / レプチン / アディポネクチン |
Research Abstract |
アディポネクチン、レプチンなどの脂肪組織由来内分泌因子であるアディポサイトカインは注目を集めている。これらのアディポサイトカインは、糖尿病・高血圧症・脂質異常症といった生活習慣病の発症の危険因子として多くの疫学研究にて報告されてきた。これまで、多くの横断研究にて、腹部内臓脂肪・皮下脂肪のどちらが、アディポネクチン、レプチンの分泌に関して重要な働きをしているか検討されてきたが、これらの関係を縦断的に検討した報告は今までない。我々は、CT撮影による腹部内臓脂肪を用いた前向きコホート研究(The Ohtori Study)を平成17年以来、整備してきた。具体的には、平成17~19年度にかけて、人間ドックの男性受診者を中心に約1000名の参加者を得た。さらに平成20~22年にかけて、女性受診者を中心に約650名の参加者を得、総数1650人の前向きコホート研究を立ち上げた。平成23年より追跡調査を開始ている。今回はこの既存の前向きコホート研究を有効活用することで、上記の研究目的を達成するのが目的である。 平成25年度においては:今回の対象は、The Ohtori Studyに登録された参加者から追跡調査を完了し、血清を保存しえた350名にて、追跡時のアディポネクチン・レプチンの血中濃度を測定した。 平成26年度においては、当初の計画通り順次解析を行う予定である。課題1として、登録時の体脂肪分布と追跡時のアディポサイトカイン値の関係を縦断的に検討する。課題2として、運動習慣・喫煙習慣・飲酒習慣などの生活習慣と追跡時の血中アディポネクチン・レプチン値の関係を縦断的に検討する。課題3として、これらの課題に関して、インスリン抵抗性の指標として、HOMA-IR・空腹時インスリン・空腹時C-ペプチドを加えて追跡時の血中アディポネクチン・レプチン値の関係を縦断的に検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、既存の前向きコホート研究の追跡調査の進展にあわせて、追跡時の血中アディポネクチン・レプチンの測定を行うことであった。当初の計画通りに測定を行えた。その他のデータ整備も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、以下の課題を順次検討する予定である。 課題1.登録時の体脂肪分布と追跡時のアディポサイトカイン値の関係を縦断的に検討する。 課題1-1.登録時のCT撮影による腹部内臓脂肪・腹部皮下脂肪と追跡時の血中アディポネクチン・レプチン値との関係を縦断的に検討する。課題1-2.異所性脂肪蓄積として登録時のCT撮影による大腿部骨格筋の脂肪蓄積・肝臓内の脂肪蓄積と追跡時の血中アディポネクチン・レプチン値の関係を縦断的に検討する。上記の1-1と1-2に関しては、腹部内臓脂肪・腹部皮下脂肪、異所性脂肪蓄積として大腿部の筋肉内脂肪・肝臓内脂肪、これらのうち、どれが最も追跡時の血中アディポネクチン・レプチン値に関連するかを加えて検討する。 課題2.運動習慣・喫煙習慣・飲酒習慣などの生活習慣と追跡時の血中アディポネクチン・レプチン値の関係を縦断的に検討する。 課題3.上記の課題全てに関して、インスリン抵抗性の指標として、HOMA-IR・空腹時インスリン・空腹時C-ペプチドを加えて追跡時の血中アディポネクチン・レプチン値の関係を縦断的に検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今回、次年度使用額が生じた理由は、当初計上していたコンピューター関連ソフト、統計解析ソフト代を計上せずに、今回の研究の主目的であるアディポネクチン・レプチンの測定に計上した。その差額である。 平成26年度の使用計画は、前述の研究計画に沿って行う。海外の国際学会の出張旅費として(海外350,000円×1人×1回)、CT画像での脂肪面積の計測ソフトSliceOmatic(Tomovision)の保守契約費(161,500円)、論文の校正費(50,000円)、論文掲載費( 60,000円)である。
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