2014 Fiscal Year Annual Research Report
血中アディポサイトカイン値の危険因子に関する縦断研究‐異所性脂肪蓄積との関係
Project/Area Number |
25670300
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
林 朝茂 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10381980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 恭子 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00381989)
上原 新一郎 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00628696)
圓藤 吟史 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20160393)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アディポネクチン / レプチン / 前向きコホート研究 / 腹部内臓脂肪 |
Outline of Annual Research Achievements |
アディポネクチン、レプチンなどの脂肪組織由来内分泌因子であるアディポサイトカインは、糖尿病・高血圧症・脂質異常症といった生活習慣病の発症の危険因子として多くの疫学研究にて報告されて注目されている。さらに、多くの疫学研究にてアディポネクチン、レプチンの分泌に関して、腹部内臓脂肪・腹部皮下脂肪のどちらが重要な働きをしているかが注目されてきた。しかし、これらの関係は、横断的に検討された報告のみで、縦断的に検討された報告はない。我々は、CT撮影による腹部内臓脂肪を用いた前向きコホート研究(The Ohtori Study)を整備してきた。今回はこの既存の前向きコホートを有効活用することで、主にアディポネクチン、レプチンの分泌の危険因子としての脂肪分布を縦断的に検討するのが目的であり、以下の結果を得た。追跡時の血中アディポネクチン・レプチン値に関して、登録時のCT撮影による腹部内臓脂肪・腹部皮下脂肪のどちらが重要であるかを縦断的に検討した。追跡時の血中アディポネクチン値は、腹部内臓脂肪が関連していた。一方、腹部皮下脂肪は関連しなかった。一方、追跡時の血中レプチン値は、腹部内臓脂肪・腹部皮下脂肪がともに関連していた。次に、追跡時の血中アディポネクチン・レプチン値に関して、異所性脂肪蓄積としての大腿部骨格筋の脂肪蓄積と肝臓における脂肪蓄積との関係を検討した。追跡時の血中アディポネクチン値に関しては、大腿部骨格筋の脂肪蓄積でなく、肝臓における脂肪蓄積が関連していた。追跡時の血中レプチン値に関しては、大腿部骨格筋の脂肪蓄積・肝臓における脂肪蓄積がともに関連していた。さらに、追跡時の血中アディポネクチン・レプチン値と生活習慣との関係に関して検討した。追跡時のレプチン値に関して運動習慣の重要性が示唆された。
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