2013 Fiscal Year Research-status Report
周産期うつ症状と関連する環境要因及び遺伝要因解明に関する前向きコホート研究
Project/Area Number |
25670305
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
三宅 吉博 福岡大学, 医学部, 准教授 (50330246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 景子 福岡大学, 医学部, 講師 (40341432)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 社会医学 / 遺伝子 / 疫学研究 / 環境要因 / うつ症状 / 前向きコホート研究 / 横断研究 / 交互作用 |
Research Abstract |
平成19年度より出生前コホート研究である「九州・沖縄母子保健研究」を開始し、ベースライン調査、出生時、生後4ヶ月時、1歳時、2歳時、3歳時、4歳時追跡調査にそれぞれ1,757名の妊婦、1,590組、1,527組、1,430組、1,362組、1,306組、1,266組の母子が参加した。現在、5歳時及び6歳時追跡調査を実施している。生後4ヶ月前後に1,492組の母子から遺伝子検体を得た。 ベースラインデータを活用し、1745名の妊婦において妊娠中の栄養摂取とCES-Dスコア16点以上で定義した妊娠中うつ症状との関連を評価した。うつ症状の有症率は19.3%であった。各食品、栄養素摂取量を4分位して解析を行った。魚介類、エイコサペンタエン及びドコサヘキサエン酸摂取量が多いほど、妊娠中うつ症状の有症率が有意に低下し、最も摂取量の多い第四4分位の補正オッズ比(95%信頼区間, 傾向性P値)はそれぞれ、0.61 (0.42 to 0.87, 0.01)、0.66 (0.46 to 0.95, 0.02)、0.64 (0.44 to 0.93, 0.007)であった。肉類、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、αリノレン酸、n-6系不飽和脂肪酸摂取とは関連がなかった。ヨーグルト及びカルシウム摂取量が多いほど、妊娠中うつ症状の有症率が有意に低下し、最も摂取量の多い第四4分位の補正オッズ比(95%信頼区間, 傾向性P値)はそれぞれ、0.69 (0.48 to 0.99, 0.03)、0.59 (0.40 to 0.88, 0.006)であった。牛乳、チーズ、総乳製品摂取とは関連がなかった。 以上、2つの論文が英文学術誌に原著として受理された。BDNF、FADS1、FADS2、RORA遺伝子多型のタイピングを終えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
栄養要因と妊娠中のうつ症状について、2つの論分が受理された。さらに、2つの論分を投稿している。遺伝要因についても、いくつかの遺伝子多型のタイピングを終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝要因と妊娠中うつ症状との関連を調べ、さらに、環境要因との交互作用を評価する。産後うつ症状についても、環境要因及び遺伝要因との関連に加え、それらの交互作用を調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画より人件費を相当程度圧縮することができた。 遺伝子解析研究の試薬と人件費に使用する。
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Research Products
(2 results)