2013 Fiscal Year Research-status Report
Identification of environmental factors contributing to child development disorder: an approach based on a secondary target of organophosphorus insecticides
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25670318
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
上島 通浩 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80281070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨澤 元博 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (20621808)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 有害化学物質 / 環境対応 / 人間生活環境 / 社会医学 / 脳・神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機リン(OP)殺虫剤は神経系のアセチルコリンエステラーゼを主要な作用点とし、この阻害による急性神経毒性については十分明らかにされている。しかし、致死または顕性毒性の生じる用量以下で持続的に曝露された場合の様々なヒトへの健康影響についての研究は、未だ緒に就いたばかりである。本研究では、OPの曝露が自閉症スペクトラム障害や注意欠陥・多動性障害などの精神神経発達障害発症に繋がるのではないかとの仮説を、ヒトを対象とする調査により検証することを目的とする。 本研究の開始にあたっては、小児からの採血量が限られることを考慮し、最初に、ヒト血中の内因性カンナビノイドの測定法に関し、先行研究結果を参考に実用レベルの測定感度を得られるか、検討を行った。その結果、脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH),モノアシルグリセロールリパーゼ(MAGL)の活性は全血3mLで、また、アナンダマイド(AEA)、2-アラキノイドグリセロール(2AG)は全血0.5mLで定量可能になった。 また、外来で用いる調査票の内容を確定させ、研究計画について名古屋市立大学倫理審査委員会の承認を得た。協力医療機関における参加者募集および生体試料回収について、研究協力者と十分な打合せを行い、対象者に調査協力依頼の声かけを行う準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
血中カンナビノイド測定法の確立に、当初想定したより時間を要した。このため、研究対象者の募集開始時期が次年度の5月にずれこんだ。
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Strategy for Future Research Activity |
研究参加者の募集を平成26年5月より開始する。得られた生体試料について、血液に関しては内因性カンナビノイドを測定する。また、尿については有機リン系殺虫剤代謝物(ジアルキルリン酸)を測定する。血中内因性カンナビノイドの測定は、おおよそ15名の参加が得られた時点で予備的に行い、対照群との有意差を検出するのに必要なサンプルサイズを検討する。その結果に基づいて研究参加者の数をふやして解析を行う。
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Causes of Carryover |
血中カンナビノイド測定法確立に当初の想定より時間がかかり、研究参加者の募集開始時期が遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
発達障害児および対照児の募集を行い、研究計画通りに進める。
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