2014 Fiscal Year Annual Research Report
地元異業種事業所のネットワークによる地域包括ケアシステムの構築と評価
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25670330
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
野中 久美子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70511260)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高齢者保健 / 公衆衛生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、都市型の地域包括支援ネットワーク(以下、支援NW)の効果と課題を多面的な視点から評価し、その効果と構築方法を提示することである。 調査1では,対象支援NWの活動を参与観察し,有機的な連携を促進する協働事業に必要な用件と事業の実施手順を明らかにした。調査2では,参与観察により得た仮説検証を目的に,参画事業所職員8名および地域包括支援センター(以下,センター)職員6名を対象に面接調査を実施した。調査3では,対象支援NWが,対象支援NW参画事業所職員の本務の業務効率化および職務の満足度・自己効力感に与える影響を検討するために,参画事業所(38事業所)の職員を対象とした質問紙調査を実施し,188名から回答を得た。 調査1~3の結果,支援NWは異業種の専門職間のソーシャルキャピタルの向上,業務の質向上に役立つ新たな知識やスキルの取得に役立つといった効果が見られた。そして,その効果が支援NWの活動に参加していない職員にも波及している参画事業所の特徴として;1)活動に参加する職員から対象支援NWに関する情報が共有がされている,2)従業員規模が10名以上50人未満であった。また,本務の経験年数が3年以上6年未満の者が,対象支援NWの効果を得やすい傾向が示唆された。さらに,センター職員は,このような効果を最大限に波及させるために事業所間の連携をコーディネートしていた。 さらに,支援NWの主な活動地域であるA地区の全65歳以上高齢者を対象とした悉皆調査を活用し,支援NWの活動の認知度および,支援NW活動参加高齢者の特徴を明らかにした。
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