2013 Fiscal Year Research-status Report
医療DBから抽出した準健康人を用いたコホート研究の可能性
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25670335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
栗原 幸男 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (00215071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入野 了士 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (70634418)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 疫学 / 医療情報学 / 医療データ解析 |
Research Abstract |
高知大学の病院情報システムIMISに過去30年間に登録された約26万人の患者の中で、基本検査項目の初回検査値が基準範囲にある患者を準健常個体(何らかの健康上の問題があるので準とした。以下、英語表記Quasi-Healthy Individualの頭文字を取ってQHIと略記する。)として(約5万人が対象となる)、その中に長期間追跡調査できるQHIがどの程度いるかを調べた。対象期間を1985年から1989年の5年とし、そのどこかの時点で受診し5年以上の受診歴と6回以上の受診のあるQHIは性別・年齢層別(30代、40代、50代)で見ると30代は100名を切るが、40代と50代では男女共に100名以上いるので、有病率が数%ある疾患についてはその発症頻度を1因子で分けて比較できる可能性があることが分かった。また、QHIの人数の多い50代女性に対して虚血性心疾患の発症状況を総コレステロール値(TC値)で2群に分け追跡調査したところ、虚血性心疾患の発症頻度が全体で約4%、TC値が220mg/dl以上の群で高いという結果が得られた。発症頻度は他の調査研究より幾分高いが、TC値の違いによる傾向は一致しており、概ね妥当な結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1985年から1989年の5年間に初めて受診し準健常個体として抽出された患者から、長期追跡できるQHIが性別年齢層別で男性は30代89名、40代127名、50代159名、女性は30代102名、40代173名、50代213名抽出できた。ただし、この内男性約20%が、女性約30%が初診後短期間に手術等負荷の大きな治療を受けているため、30代では対象者数が100名を切り追跡調査が難しいが、40代と50代では100名以上が長期追跡調査可能なQHIとして確保できた。また、QHIを用いた虚血性心疾患発症に関する追跡調査で概ね妥当な結果が得られたことは、本研究者等の研究手法の妥当性を示しており、計画通り研究を遂行できる見通しが得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度抽出された1985年から1989年に初診の長期追跡調査可能なQHIに加え、同様な条件1995年から1999年でも長期追跡調査可能なQHIを抽出し、それぞれの特性を性別・年齢層別に調査すると共に、生活習慣病に関与すると考えられている血中コレステロール値や空腹時血糖値などの疾患発症への影響を調べる。また、それらの結果を大規模コホート調査の結果と比較し、大規模医療データベースのコホート調査への利用可能性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者との研究打合せが日程調整の関係で予定より1回少なかったため、分担者の旅費が余ることになった。 生じた繰り越し予算は研究打合せ旅費として利用する計画である。
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Research Products
(5 results)