2013 Fiscal Year Research-status Report
被虐待児の脳におけるDNAメチル化とその神経発達への影響に関する検討
Project/Area Number |
25670340
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小湊 慶彦 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30205512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 たみ子 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40008561)
佐野 利恵 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70455955)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 虐待 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
ストレス状況下において、視床下部-下垂体-副腎システムが恒常性維持のために重要である。この経路に関わるコルチコトロピン放出ホルモン(CRH)の増加はこの経路に悪影響を及ぼし、精神的な問題を惹起する。その遺伝子発現はストレス下で一過性に増強され、その後に抑制を受けるが、その抑制に視床下部室傍核の神経細胞のGlucocorticoid receptorが関わっている。自殺者脳を用いた研究では、子供時代に虐待を受けたヒトではそのGlucocorticoid receptor (NR3C1)遺伝子プロモーターにメチル化の増加が観察されている。以上より、虐待を受けたヒトではGlucocorticoidによる抑制が効かず、CRHが増加した状態が続き、ストレスに対する抵抗性の低下や精神的な問題を生じやすくなるのではないかと推論されている。そこで、虐待死亡事件例の解剖時に保存された脳からDNAを抽出し、DNAメチル化の検索を行う計画である。 平成25年度には、コントロールの脳から作製されたパラフィン包埋切片からQIAamp DNA FFPE Tissue Kit (QIAGEN社)を用いてDNA抽出を行い、良好なDNA抽出を実現するために、試薬量、組織面積やプレパラート数の条件検討を行い、条件設定を行えた。次に、EpiTect Bisulfite Kit (QIAGEN社)を用いてDNAのバイサルファイト処理を行い、良好なバイサルファイト変換を実現するために、試薬量、DNA量の条件検討を行い、条件設定を行えた。一方、細胞の種類によってDNAメチル化が変化することから、細胞収集の選択性を高め、異種類の細胞を排除した形でDNA抽出を実現するために、ZEISS社製PALMレーザーマイクロダイセクションシステムを利用した細胞収集とDNA抽出、バイサルファイト処理を行うための予備実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の進行が遅れているが、細胞の種類によってDNAメチル化が変化することから、異種類の細胞を排除し、細胞収集の選択性を高めるために、ZEISS社製PALMレーザーマイクロダイセクションシステムを利用することを加えたため、細胞収集とDNA抽出、バイサルファイト処理を行うための予備実験を行っており、レーザーマイクロダイセクション装置の使用方法、微量なサンプルの取扱いに関する手技等の習熟に時間を要したことが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞の種類によってDNAメチル化が変化することから、異なる種類の細胞を排除し、細胞収集の選択性を高めるために、医学系研究科共同利用機器部門に導入されたZEISS社製PALMレーザーマイクロダイセクションシステムを利用することとした。HE染色標本だけでなく、免疫組織染色標本からも細胞収集が可能であることから、特定の抗原が発現している細胞を選択的に収集し、DNA抽出、バイサルファイト処理を行い、DNAメチル化を検索する予定である。レーザーマイクロダイセクションの利用により、神経細胞、神経膠細胞、脳室上衣細胞、血管内皮細胞等の区別を厳密に行い、脳の部位と細胞特異的な DNAメチル化の検索が可能となり、より厳密なDNAメチル化の評価が可能となると思われる。今後はレーザーマイクロダイセクションの利用を加味したDNAメチル化の検索を行うこととする。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Mutation of the GATA site in the erythroid cell-specific regulatory element of the ABO gene in a Bm subgroup individual.2013
Author(s)
Nakajima T, Sano R, Takahashi Y, Kubo R, Takahashi K, Kominato Y, Tsukada J, Takeshita H, Yasuda T, Uchikawa M, Isa K, Ogasawara K
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Journal Title
Transfusion
Volume: 53
Pages: 2917-2927
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 日本人のBm型に関する遺伝子の解析.2013
Author(s)
伊佐和美, 小笠原健一, 佐々木佳奈, 岡崎仁, 田所憲治, 國井七絵, 小野寺孝行, 斎藤昌子, 常山初江, 矢部隆一, 内川誠, 佐野利恵, 中島たみ子, 小湊慶彦, 丸橋隆行, 横濱章彦.
Organizer
第61回日本輸血・細胞治療学会総会.
Place of Presentation
横浜
Year and Date
20130516-20130518