2014 Fiscal Year Research-status Report
被虐待児の脳におけるDNAメチル化とその神経発達への影響に関する検討
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25670340
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小湊 慶彦 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30205512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 たみ子 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40008561)
佐野 利恵 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70455955)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 虐待 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、虐待死亡例の解剖時に保存された脳から、大脳皮質、海馬、扁桃体、小脳等についてパラフィン包埋切片を作製した。そこからZEISS社製PALMレーザーマイクロダイセクションシステムを利用して、神経細胞層を特異的に切り出し、そこからQIAamp DNA FFPE Tissue Kit (QIAGEN社)を用いてDNAを抽出し、そのDNAにEpiTect Bisulfite Kit (QIAGEN社)を用いてバイサルファイト処理を施し、プロモーター1Fを標的にPCRを行い、PCR産物をクローニングベクターpUC118に組み込み、各クローンの塩基配列をBigDye® Terminator v1.1 Cycle Sequencing Kitを用いて調べることでメチル化の検索を行った。1回目のPCRに用いたプライマーは5’-GTGGTGGGGGATTTG-3’、5’-ACCTAATCTCTCTAAAAC-3’であり、PCR条件は、40cycles of 98 degree for 10sec, 53.8 degree for 30sec, 72 degree for 2min等であった。2回目のPCRに用いたプライマーは5’- TTTTTGAAGTTTTTTTAGAGGG-3’、5’- AATTTCTCCAATTTCTTTTCTC-3’であり、PCR条件は、40cycles of 98 degree for 10sec, 56.1 degree for 30sec, 72 degree for 2min等であった。 結果は、海馬で24アリルを調べたところ、左海馬では12アリル中の5アリル、右海馬では12アリル中の7アリルにメチル化が認められた。ほとんどのメチル化部位は転写因子NGFI-Aの認識配列に位置し、2箇所以上のメチル化を有するアリルが5アリルあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳から作製されたパラフィン包埋切片からQIAamp DNA FFPE Tissue Kit (QIAGEN社)を用いてDNA抽出を行い、良好なDNA抽出を実現するために、試薬量、組織面積やプレパラート数の条件検討を行い、条件設定を行えた。次に、EpiTect Bisulfite Kit (QIAGEN社)を用いてDNAのバイサルファイト処理を行い、良好なバイサルファイト変換を実現するために、試薬量、DNA量の条件検討を行い、条件設定を行えた。一方、細胞の種類によってDNAメチル化が変化することから、細胞収集の選択性を高め、異種類の細胞を排除した形でDNA抽出を実現するために、ZEISS社製PALMレーザーマイクロダイセクションシステムを利用した細胞収集とDNA抽出を実行した。以上から、メチル化検出のための一連の作業工程を確立し、虐待脳の試料を用いて、メチル化の検索を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、コントロールの脳から作製されたパラフィン包埋切片からDNA抽出を行い、メチル化の程度を調べる計画である。前頭回、海馬、扁桃体、小脳等のメチル化を調べる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Presence of nucleotide substitutions in transcriptional regulatory elements such as the erythroid cell-specific enhancer-like element and the ABO promoter in individuals with phenotypes A3 and B3, respectively.2014
Author(s)
Takahashi Y, Isa K, Sano R, Nakajima T, Kubo R, Takahashi K, Kominato Y, Michino J, Masuno A, Tsuneyama H, Ito S, Ogasawara K, Uchikawa M
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Journal Title
Vox Sang.
Volume: 107
Pages: 171-180.
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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