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2013 Fiscal Year Research-status Report

ヒト特異性の高いmRNAを標的とした血液証明法の開発:個人識別の新たな展開

Research Project

Project/Area Number 25670347
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionFukuoka University

Principal Investigator

久保 真一  福岡大学, 医学部, 教授 (10205122)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松末 綾  福岡大学, 医学部, 助教(Research Associate) (70309920)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords個人識別 / 血液証明法 / ヒト特異性 / 血液特異性 / mRNA / Glycophirin A遺伝子 / β-Specrin遺伝子 / β-Hemoglobin遺伝子
Research Abstract

第1段階:検査システムの構築として、血液(血痕)からのRNA の抽出、cDNA の合成、RT-PCRによる遺伝子確認の一連の検査系を構築した。RT-PCR は、TaqMan(TM)法とSYBR GREEN(SG)法の比較を行った。
第2段階A:Glycophorin A(GLYA)、beta-Spectrin(SPTB)、beta-Hemoglobin(HBB)の各遺伝子について、①血液特異性と②ヒト特異性を検討した。血液、唾液、尿、汗、精液試料における標的mRNA 発現量の比較を行ったところ、HBBは血液で極めて高い発現を示し、唾液、尿、および精液では発現は認められなかった。ヒト特異性について、チンパンジー、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ血液における標的mRNA 発現量を比較した。TM法では、GLYA、SPTBは、チンパンジーのみで検出可能であり、HBBについては、いずれの種においても検出された。SG法では、GLYAについては、いずれの種においても検出されなかった。SPTBおよびHBBについては、チンパンジーを含む3種で検出された以上の結果から、血液の証明には血液特異性及び検出感度の観点からHBBが、ヒト由来であることの証明にはGLYAが有効であることが示された。
第2段階B:①陳旧血痕における本検査法を検証した。室温もしくは-20℃で3-6年保存した血痕について、検査を実施したところ、GLYAおよびSPTBでは、室温で3年経過した血痕において一部検出不可であったが、HBBはTM法・SG法ともに、室温で6年経過した血痕からも検出可能であった。②変性血痕における本検査法を検証した。血液に覚せい剤を添加した血痕のうち、免疫学的検査法で陰性となった血痕では、GLYA、SPTBは全ての試料で検出できなかった。また、HBBは一部の試料で検出できたが、著しい検出力の低下が認められた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

ヒト特異性の高いmRNAを標的とした血液証明法の開発を目標として、研究に取り組んできた結果、第1段階として、血液(血痕)からのRNA の抽出、cDNA の合成、RT-PCRによる遺伝子確認までの一連の検査システムはほぼ確立した。
GLYA、SPTB、HBBの各遺伝子について、血液特異性とヒト特異性を検討した結果、血液の証明には血液特異性及び検出感度の観点からHBBが、ヒト由来であることの証明にはGLYAが有効であることが示された。この2つの遺伝子を組み合わせることで、ヒト特異性の高いmRNAを標的とした血液証明が可能であることが明らかとなった。
一方、陳旧性血痕や覚せい剤混入血痕について検討したところ、HBBは陳旧血痕や覚せい剤混入血痕でも検出ができたが、GLYA、SPTBでは検出できない場合が確認された。
以上の結果から、比較的新鮮な血液(血痕)については、ヒト特異性の高いmRNAを標的とした血液証明法の開発が達成されたものと考える。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進においては、覚せい剤混入のような変性した血液(血痕)に対して、より有効な血液証明法を目指すことが重要である。標的遺伝子としているGLYA、SPTB、HBBの各遺伝子の組み合わせ、検出感度の違いを詳細に検討することで、現在、開発している「ヒト特異性の高いmRNAを標的とした血液証明法」の判定(基準)方法の取りまとめを目指す。
さらに、本法は、血液(血痕)からのRNA の抽出、cDNA の合成、RT-PCRによる遺伝子確認までの一連の検査システムでおこなう「ヒト特異性の高いmRNAを標的とした血液証明法」あり、従来の血痕検査とは全く異なる方法であることから、実務応用を重ねて有効性の確認を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額1,348円が発生した。この理由は、試薬等の金額の見込み額との差によって生じたものである。
次年度使用額は1,348円であり、当初の使用計画に従って研究を実施することで、円滑な研究活動が実施できるものであり、計画の変更を必要としないものです。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] mRNAを指標とした新たなヒト血痕証明法の検討2013

    • Author(s)
      松村秀策,松末綾,久保真一
    • Organizer
      第97次日本法医学会学術全国集会
    • Place of Presentation
      ロイトン札幌
    • Year and Date
      20130626-20130628

URL: 

Published: 2015-05-28  

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