2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670349
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
葛谷 雅文 名古屋大学, 未来社会創造機構, 教授 (10283441)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 老化 / 虚弱 / 動物 / サルコペニア / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトfrailtyの動物モデルを構築することを目的に、老化促進マウス(Senescence-Accelerated Mouse,SAM)がヒトfrailtyと類似した表現型を呈し、動物モデルになり得るか否かを検討した。 Frailty評価の為、1)体重(体重減少評価)、2)自発運動活性試験(活動度評価)、3)筋力(握力)試験、4)トレッドミル試験(持久力、疲労度、移動能力評価)を行った。生化学・組織評価として40週齢で採血ならびに両側下腿筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋)を取り出し、筋肉の解析(重量、筋細胞数、平均筋線維面積、筋線維タイプ評価、RT-PCR、western blotting)と、血液検査(栄養評価、炎症評価)を行った。 SAMP10マウスの平均体重は、28週齢で32.1gが40週齢では31.0gに減少し、握力および握力体重比も24週齢110.3g/3.44が40週齢で95.7g/2.84と加齢とともに低下した。持久力は28週齢36.8分から40週齢32.3分に低下した。正常老化マウスSAMR1の活動量に比較し、SAMP10では明らかに少なかったが、週齢による顕著な差は今回認められなかった。SAMR1とwild(C57BL/6)では28週齢を超してもケージにぶら下がる行動を頻回に認めるも、SAMP10ではその行為が認められず、32週齢以降では明らかに動作が緩慢となった。SAMP10の平均筋湿重量は、40週齢224.3mgが64週齢227.5mgと低下していた。また、正常老化マウスSAMR1(64週齢)やWild (80週齢)に比較しても、SAMP10(42週齢)の筋湿重量と筋湿重量体重比は低下していた。SAMP10は、28週齢頃より軟便になり、38週齢以降は下痢便となる個体が多発した。また、36週齢に達する頃から髭が抜け始め、全身の脱毛が起こり、毛艶も悪くなった。また、SAMP10(40週齢)では、著名なミトコンドリア形状の異常を認めた。以上より、frailty動物モデルとして必要な「骨格筋力の低下」「体重減少」「動作緩慢」の条件を満たすSAMP10マウスはヒトfrailtyの動物モデルとなりうると考えられる。
|
Research Products
(21 results)