2013 Fiscal Year Research-status Report
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25670351
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 壽記 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (20231152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 裕 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, その他 (70138098)
工藤 喬 大阪大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10273632)
柴田 政彦 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50216016)
田中 克俊 北里大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30365176)
平井 啓 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (70294014)
中川 敦夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30338149)
林 紀行 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80619510)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 統合医療 / ヨーガ療法 / 思考場療法 / アロマセラピー / 脳波 / 大規模災害 / 補完代替医療 / 認知行動療法 |
Research Abstract |
先行研究としてJR福知山線脱線事故の被害者などに対して鍼やアロマセラピー、ヨーガ療法などの介入を行い、有意な苦痛の改善と抑うつ症状の改善を認め、その客観的な評価を得るために今回の臨床試験が計画された。これまで1年以上にわたり医療機関を通院したものの改善を認めない大規模災害などによる後遺障害を抱えるものを募集しヨーガ療法、アロマセラピー、思考場療法を組み合わせた10週にわたる統合医療的な臨床試験を施行、現時点で6名が脱落なく終了、明らかな有害事象を認めていない。施術直後では有意な苦痛の改善が認められ、長期的にも有意な悪化は認めず、苦痛がほぼ消失したものも認めた。各施術の満足度は高いものであり、セルフケアとして続けるものも多数存在した。 ヨーガ療法における瞑想中の脳波においてtraining後では前帯状皮質(aCC:客観視を司る)からのfunctionalconnectivityの有意傾向の低下を認め、異常なconnectionが瞑想によって解除されたことが考えられた。また年齢をマッチさせた健常被験者との比較では瞑想training後に左下頭頂小葉(IPL:self-awarenessや内的な情報処理に関連している)の電流源密度(current source density;CSD)の有意な上昇を認め、瞑想trainingによって脳活動に変化が生じた可能性が考えられた。これらの結果は苦痛を客観視できるようになった可能性が考えられ、苦痛と距離を取り、苦痛を緩和している可能性が示唆された。 JR西日本福知山脱線事故ご被害者対策本部スタッフへの認知行動療法およびマインドフルネス的Yogaなどの統合的介入は計画の概略を作成しJR西日本との交渉が終了、現在大阪大学医学部附属病院倫理委員会への提出書類作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定通り大規模災害の後遺障害に対する統合医療的介入が進んでおり平成26年度中には終了の予定である。平成25年後開始予定であった大規模災害の後遺障害者に対するケアを提供するものに対するストレスマネージメントの臨床試験はJR西日本との交渉が長引いたが、実施可能な状態となり、大阪大学医学部附属病院倫理委員会への提出書類作成を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度中に大規模災害の後遺障害に対する統合医療的介入は終了の予定であり、データをまとめて発表、報告してゆく予定である。ケアを提供するものに対するストレスマネージメントの臨床試験も平成26年度中に開始し、平成27年度には終了、データをまとめて発表、報告してゆく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に開始予定であったJR西日本での臨床試験がやや遅れており、支出が次年度に持ち越しとなっている。 平成25年度に使用予定であったJR西日本での臨床試験分の支出を平成26年度に使用する予定である。
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