2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670356
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中島 淳 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30326037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 孝一郎 島根大学, 医学部, 教授 (90263467)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 新規治療法 / 消化管難病 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性偽性腸閉塞(Chronic intestinal pseudo-obstruction以下CIPO)は主に小腸の運動が低下することによる腸管内容物の輸送障害により器質的消化管の閉塞機転がないのにかかわらす消化管閉塞による症状と画像上の鏡面像を呈する原因不明の難治性疾患である。CIPOは手術は無効で腸管内減圧が有効である。急性増悪時には経鼻的にイレウスチューブを挿入して治療が行われ、待機的に減圧のために胃瘻や小腸瘻が増設されるが充分万遍なく減圧されるとは限らない。今回たまたま胃瘻からイレウスチューブを入れることになった患者の症状寛解効果が高く経過が良いことを認めたため本疾患の治療に胃瘻よるチューブの長期留置で減圧を適切に行う新しい治療法の開発の端緒を得、研究を開始した。初年度は胃瘻増設による治療効果の検討を行い効果を確認できた。2年目である本年度は胃瘻より60~120cmの空腸留置チューブを挿入して先端より罹患腸管での腸管減圧を行う新規治療機器(PEG-J tube)の開発の検討を行った。6例に施行して前後で自覚症状の改善、合併症の有無を検討したところ。5例で改善効果を求めた。しかしながら胃瘻増設部位の疼痛や逆流する腸液によると思われる腐食性皮膚炎などの合併症を認め今後の課題と考えられた。一方拡張腸管のために胃瘻増設そのものが困難な症例がおり、その場合事前に経鼻的イレウス管を挿入して拡張腸管を減圧して胃前壁と腹壁を直接接触することができれば挿入可能であることも確認できた。我々の開発したPEG-J減圧療法は患者の自覚症状の改善、画像上の拡張腸管径の低下に有効であることが強く示唆された。今後は比較検討試験で検証することが最も妥当な検討になるが、希少難病であるが故治療前後での治療効果の判定を行い症例数を増やすことが課題であると考えられた。
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Research Products
(2 results)