2014 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイドによる細胞内分子制御による肝細胞癌の抗癌剤感受性増強効果
Project/Area Number |
25670368
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
汐田 剛史 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70263457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神吉 けい太 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10516876)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | レチノイド / 肝細胞癌 / 抗腫瘍効果 / 作用増強 / AMPK |
Outline of Annual Research Achievements |
1.各種抗癌剤の肝癌細胞への抗腫瘍効果へのレチノイドの影響の検討 ①5種類の抗癌剤(5-FU、シスプラチン、ソラフェニブ、マイトマイシンC、アロリアマイシン)の肝癌細胞株へのATRAの効果を検討した。その結果、ATRAはこれらの5種類の抗癌剤の作用を増強した。その効果は、肝癌細胞株HepG2、PLC/PRF/5、HuH6、HLE、HLF、Hep3Bで認めた。②5種類の抗癌剤(5-FU、シスプラチン、ソラフェニブ、マイトマイシンC、アロリアマイシン)の肝癌細胞株へのNIK333の効果を検討した。その結果、NIK333はアドリアマイシンの効果を増強した。その効果は、肝癌細胞株HepG2、PLC/PRF/5、HuH6、HLE、HLF、Hep3Bで認めた。③5種類の抗癌剤(5-FU、シスプラチン、ソラフェニブ、マイトマイシンC、アロリアマイシン)の肝癌細胞株へのAM80の効果を検討したが、AM80はこれらの抗癌剤の効果を増強しなかった。 2.ソラフェニブの効果へのATRAの影響について、その作用機序を検討した。その結果、 ①ATRAは肝癌細胞のアポトーシスを誘導し、カスペース3/7活性を増強した。②ATRAは肝癌細胞のATP産生を抑制した。③ATRAはAMPK活性を増強した。④ATRAはp38、JNK活性を増強した。⑤ATRAは解糖系のGLUT1、LDHA発現を低下させた。⑥ATRAはTCA回路のPDK1、PDK2、IDH1/2、MDH2発現を増加させた。⑦ATRAはBAX発現を増加させた。⑧ATRAはBAXのミトコンドリアへの移行を促進した。以上の機序により、ATRAがソラフェニブの効果を増強していることが示唆された。
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Research Products
(6 results)