2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670380
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 啓行 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60323573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 敦子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60529147)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 大動脈瘤 / ルテオリン |
Research Abstract |
無症状のうちに発生拡張し致死的破裂をきたしうる大動脈瘤の発生拡張予防策に対しては臨床現場の要請が強い。本研究では、大動脈瘤の発生拡張予防効果を有する経口投与可能な化合物の同定、実験動物を用いた効果検証、メカニズム解析をおこなった。 大動脈瘤動物モデル(アポE遺伝子欠損マウスホモに4週間アンジオテンシンIIを皮下持続注入することにより腎動脈分岐部直上に大動脈瘤を形成する)を用いた。予備的検討で劇的な効果を呈したルテオリン(フラボノイドの一種)一配糖体を中心に検討を進めた。シソ・ピーマン葉由来のフラボノイドであるルテオリンはその抗酸化作用、抗炎症作用を通して抗動脈硬化作用をきたすことが既に知られている。ルテオリン一配糖体、ルテオリン無配糖体を配合した混合餌を4週間マウスに摂食させた後、アンジオテンシンII負荷を施し、普通餌を摂食させたマウス群と比較、ルテオリン一配糖体の劇的な瘤形成抑制効果を確認した。ルテオリン無配糖体でも有意な効果は得られるが、ルテオリン一配糖体と比較して体内への吸収効率が劣るため、やや効果は弱かった。ルテオリンは大動脈瘤形成抑制効果を有するが、その効果は血中濃度に依存するという結論が得られた。 さらに、瘤病理組織の検討によると、ルテオリン摂食群では大動脈壁弾性線維断裂像がほとんど観察されなかった。分子生物学的検討では、ルテオリンがTGF-β発現を抑えることで抗線維化作用を発揮していることが明らかになった。 本研究を通して、経口ルテオリン投与が大動脈瘤形成拡張を抑制することを確認できた。血中濃度を保つ工夫、安全性の検証を経て、臨床応用が期待される。
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[Journal Article] Melatonin ameliorates Angiotensin II-induced vascular endothelial damage via its antioxidative properties.2013
Author(s)
Nakao T, Morita H, Maemura K, Amiya E, Inajima T, Saito Y, Watanabe M, Manabe I, Kurabayashi M, Nagai R, Komuro I.
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Journal Title
J Pineal Res.
Volume: 55
Pages: 287-293
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Prognostic impact of left ventricular noncompaction in patients with Duchenne/Becker muscular dystrophy-prospective multicenter cohort study-.2013
Author(s)
Kimura K, Takenaka K, Ebihara A, Uno K, Morita H, Nakajima T, Ozawa T, Aida I, Yonemochi Y, Higuchi S, Motoyoshi Y, Mikata T, Uchida I, Ishihara T, Komori T, Kitao R, Nagata T, Takeda S, Yatomi Y, Nagai R, Komuro I.
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Journal Title
Int J Cardiol.
Volume: 168
Pages: 1900-1904
Peer Reviewed