2014 Fiscal Year Annual Research Report
心血管病の進展におけるマイクログリアの役割の解明と治療応用
Project/Area Number |
25670391
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
市来 俊弘 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80311843)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 低酸素応答系 / 心肥大 / マイクログリア / 室傍核 |
Outline of Annual Research Achievements |
Hypoxia-inducible factor(HIF)は低酸素状態で活性化される転写因子であり低酸素応答に重要な役割を担う。正常酸素状態においてHIFはProlyl hydroxylse domain protein (PHD)により水酸化され分解へと誘導される。このPHDの主要アイソフォームであるPHD2とLysozyme M-Creマウスを交配して骨髄細胞特異的PHD2欠損(以下My-PHD2KO)マウスを作製した。 脳内のマイクログリアはマクロファージとほぼ同じ形質、機能を有するとされることから、マイクログリアが心肥大の形成に何らかの役割を持つという仮説に基づいて本研究を行った。My-PHD2KOマウスと野生型マウスに横行大動脈縮窄による圧負荷心肥大モデルを作成した。いずれのマウスでも圧負荷により交感神経中枢の一つである室傍核におけるマイクログリアの軽度の活性化(Iba1抗体陽性細胞数の増加)を生じたが、統計的な有意差はなかった。またMy-PHD2KOマウスと野生型マウスの間で、左室肥大や心臓線維化、マイクログリアの活性化に差は認められなかった。圧負荷を強化し、心肥大から心不全となるモデルでも同様に差は認められなかった。 そこで、アンジオテンシンIIと一酸化窒素合成阻害薬の投与による心肥大モデルでも同様の検討を行った。しかし、このモデルにおいてもMy-PHD2KOマウスと野生型マウスの間で室傍核におけるマイクログリアの活性化に有意差は認められなかった。 残念ながら研究の仮説は支持されず、心臓肥大の形成過程において脳内マイクログリアの低酸素応答系が果たす役割に関しては否定的であった。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Stimulation of α7 nicotinic acetylcholine receptor by AR-R17779 suppresses atherosclerosis and aortic aneurysm formation in apolipoprotein E-deficient mice.2014
Author(s)
Hashimoto T, Ichiki T, Watanabe A, Hurt-Camejo E, Michaëlsson E, Ikeda J, Inoue E, Matsuura H, Tokunou T, Kitamoto S, Sunagawa K.
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Journal Title
Vascul Pharmacol.
Volume: 61
Pages: 49-55
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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