2013 Fiscal Year Research-status Report
マクロファージ由来アポトーシス阻止因子(AIM)の難治性肺疾患の病態における役割
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25670398
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西村 正治 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00208224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 雅 北海道大学, 大学病院, 助教 (10374290)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肺線維症 |
Research Abstract |
ブレオマイシンは種々の実験動物にて肺障害とそれに引き続く線維化をきたすことが知られており、齧歯類においてブレオマイシン単回経気道投与による肺障害/線維化モデルが疾患モデルとして広く使用されている。一方で、これまで他の臓器における検討でAIMが炎症から修復する際の生体反応に関与する可能性が示唆されており、ブレオマイシン経気道投与実験にて肺における炎症と線維化の応答を検討した。 AIM-/-マウス(以下AIM-KOマウス)を8-12週齢まで飼育したのち実験に用い、マウス用喉頭鏡を用いて喉頭展開し、8-12週齢のメスのマウスに対して塩酸ブレオマイシンを25 μg投与の場合は生理食塩液にて0.5 mg/mlに希釈したものを50 μl、50 μg投与の場合は生理食塩液にて1 mg/mlに希釈したものを50 μl、それぞれMicroSprayer(Penn-Century)を用いて気管内の分岐部直上レベルで噴霧した。 ブレオマイシン経気道投与後day 7、14、28に解剖、パラフィン包埋ブロックより5 μmスライスを作製し、鏡検像における肺組織の線維化の程度をAshcroft’s Scoreにより評価した。ブレオマイシン25 μg投与群とブレオマイシン50 μg投与群でともにday 14においてはAIM-KOマウスにて線維性変化の有意な抑制が認められた。また肺のhydroxyproline含有量は野生型マウスとAIM-KOマウスの間に統計的有意差はつかなかったものの、各個体のhydroxyproline含量とAshcroft’s scoreの間には有意な相関が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回のデータで示したAIM欠損による肺の線維化の差異は、ブレオマイシン投与後day 14の観察ポイントでのみ統計学的な有意差を認めるのみではあるが、病態の進行の上の修飾因子のひとつとなっている可能性を示すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究での検討はin vivoにおける検討に留まっており,今後AIMによる線維化への病態修飾のメカニズムについて、肺組織の細胞のソーティングや培養細胞を用いた検討など細胞種別の解析を進めていく予定である。
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