2014 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病モデルマウスを用いたAβ蓄積から神経原繊維変化へ至る機構の解明
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25670425
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
阿部 陽一郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10317331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新倉 貴子 上智大学, 理工学部, 准教授 (10301491)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / アクアポリン4 / アストロサイト / タウ / アミロイドβ / 遺伝子改変マウス / 疾患モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病の発症において、老人斑の形成とタウ病変との間に時間的隔たりがあることは知られているが両者にどのような関係があるかは不明である。現在高度にAβを蓄積するマウスは多数報告されているものの、Aβの蓄積に引き続いて内在性タウからNFTを生じるマウスは得られていない。申請者らは脳内恒常性の維持に重要な役割を担うアストロサイトの機能不全を加えることでAβの蓄積をきっかけに内在性タウからNFT形成が引き起こされる可能性があると考え、Aβを過剰産生するマウス(5XFAD)とアストロサイトの機能不全を起こすマウス(AQP4 KO)を交配する事により、Aβを過剰産生するがリアクティブアストログリオシス、ミクログリオシスが障害されたマウスの作製を試みた。 C57BL/6Jの遺伝的背景のもと、AQP4遺伝子を破壊した5XFADマウスを作製し、6ヶ月齢でY-mazeおよびopen feild testを行った後に大脳を摘出し、その凍結切片を各マーカーで染色し、Aβの蓄積(amylo-Glo)、リアクティブアストログリオシス(GFAP)、ミクログリオシス(IbaI)の程度を、AQP4遺伝子について野生型のマウスと比較した。 行動試験の結果、両群間に有意な差はなく、また野生型のC57BL/6Jと比較しても有意差は認められなかった。一方、両群とも海馬及び大脳皮質にAβ蓄積が見られ、その周囲にアストログリオシスおよびミクログリオシスが観察された。予想に反し、Aβの蓄積およびアストログリオシスに関しては両群間に有意差は認められなかったが、AQP4 KO群でミクログリオシスの有意な低下が認められた。以上よりAQP4はミクログリオシスの誘導に何らかの役割を担うと示唆された。一方、C57BL/6J純系の6ヶ月齢は5XFADマウスが記憶障害に至るには不十分であることも明らかとなり、今後検討の余地を残した。
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