2013 Fiscal Year Research-status Report
潜在的ビタミンB1欠乏患者における患者因子についての検討
Project/Area Number |
25670436
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
平田 順一 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (40347323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児矢野 繁 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (50315818)
鈴木 ゆめ 横浜市立大学, 附属病院, 教授 (70236024)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ビタミンB1欠乏 / ヘリコバクター・ピロリ菌感染 |
Research Abstract |
神経内科領域ではビタミンB1欠乏を一次的原因とする疾患としてWernicke脳症や循環器症状を伴う末梢神経障害(いわゆる脚気)がよく知られている.ビタミンB1欠乏の主要な原因の一つである食事性要素の観点では,ビタミンB1は豚肉・豆類・玄米に多く含まれているが,白米を摂取する食形態から日本人にはもともと潜在的なビタミンB1欠乏者が多いとされている.日常臨床においては,Wernicke脳症や脚気の表現型を呈していないにも関わらず,認知症や末梢神経障害などのスクリーニングでビタミンB1の精査を行うと基準値を下回る症例が認められる.我々は,このビタミンB1欠乏の原因として,潜在的な胃病変の存在を想定し、胃病変形成に大きな役割を果たすヘリコバクター・ピロリ菌の感染に注目した.胃癌や胃摘出後でなくても,ヘリコバクター・ピロリ菌感染にてビタミンB1濃度の低下が予想され,関連性を調べる.関連性があれば,早期のヘリコバクター・ピロリ菌の除菌療法が推奨される.検討方法は外来を受診し、スクリーニング検査でビタミンB1血中濃度<20mg/dlの患者について研究概要を説明した上で同意を得て,頭部画像評価・意識レベルの評価・高次機能評価・神経伝導速度検査にて末梢神経を評価する.その後,上部消化管内視鏡検査を行い胃病変の検査を行う.これまでに上記の検査を施行した結果、症例数がn=7とまだ少ない段階であるが,ビタミンB1の除菌前平均値が41.57ng/ml,除菌後平均値が43.29ng/ml(P=0.066)と有意差はないものの増加傾向を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究を行うために実行施設の倫理委員会に研究概要、研究計画書を提出し、承認を得てから症例を集めるのであるが、その承認までの期間が長くなり、開始する時期が遅れてしまったため、症例の蓄積がまだ少ないという現状に至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
現状では症例数が少ないために有意差は得られていないが,全般的にはビタミンB1の除菌前平均値に対して除菌後平均値は増加傾向を示している.今後症例数を50まで増やしていき,症例数の蓄積とともに有意差の検討を行っていく予定である.これらの患者には上部消化管内視鏡検査行い,胃病変の有無を確認する.上記検査にて,胃癌・活動性の胃潰瘍が見つかった症例についてはビタミンB1濃度低下の誘因となり得るために除外する.また、尿素呼気検査を行い(必要あれば抗体検査),ヘリコバクター・ピロリ菌の感染を確認する.ヘリコバクター・ピロリ菌陽性の患者には一次除菌療法【プロトンポンプ阻害剤(PPI)+アモキシシリン(AMPC)+クラリスロマイシン(CAM)を一週間投与】を施行する.除菌後,呼気尿素検査を行い除菌不成功者には二次除菌【プロトンポンプ阻害剤(PPI)+メトロニダゾール(MNZ)を一週間投与】を行う.二次除菌後,再度尿素呼気検査を行い不成功者は除外する.除菌確認3ヶ月後にビタミンB1濃度再検査行う.さらに各患者において除菌前後の神経学的診察,頭部MRI検査にて頭蓋内異常信号の有無, 脳血流シンチにて血流低下の判定,脳波検査における意識レベルの評価,MMSE・HDS-RおよびWAIS-Rにての高次機能評価, 神経伝導速度検査での末梢神経障害の評価を行い、比較検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を行うために実行施設の倫理委員会に研究概要、研究計画書を提出し、承認を得てから症例を集めるのであるが、その承認までの期間が長くなり、開始する時期が遅れてしまったため、症例の蓄積がまだ少ないという現状に至っている。このため、次年度にも症例を集めて当初の目標であった40~50例まで蓄積する必要がある。 次年度に集めた症例のデータ解析を行うためのコンピュータ,統計ソフトのほか,研究成果発表のための旅費,論文発表のため翻訳・校閲謝金などにも使用する予定である.
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