2013 Fiscal Year Research-status Report
脂肪酸修飾ペプチドファミリーと受容体による新しい生体調節機構の解明
Project/Area Number |
25670442
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
宮里 幹也 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (50291183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 守克 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 研究員 (70393212)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 内分泌 / 脂肪酸修飾ペプチド / 脂肪酸転移酵素 / グレリン / 摂食・エネルギー代謝調節 |
Research Abstract |
これまで申請者の研究室では、細胞間情報伝達物質として未知の生理活性ペプチドを数多く発見し、新たな生体調節機構を明らかにしてきた。近年では、成長ホルモン分泌促進因子受容体(GHS-R)の内因性リガンドとして、グレリンをラット胃より発見し、その構造決定に成功している(Kojima et al. Nature 1999)。グレリンは成長ホルモン分泌促進作用だけでなく、強力な摂食亢進作用を有することが明らかとなり、現在は治療応用へと研究を展開している。 グレリンの3番目のセリン残基は、中鎖脂肪酸であるオクタン酸修飾を受けており、この修飾基は受容体の活性化に必須である。近年、グレリンに対する脂肪酸転移酵素が、膜結合型O-アシルトランスフェラーゼと呼ばれる16種類のファミリー分子の一つとして同定された。グレリンは、脂肪酸修飾を受けた唯一のペプチドホルモンであり、脂肪酸転移酵素の種類を考慮すると、未知の脂肪酸修飾ペプチドの存在が示唆される。本研究では脂肪酸修飾を有する新規生理活性ペプチドを同定し、細胞や個体レベルでの機能解析を行い、新たな生体調節機構を明らかにすることを目的とする。 平成25年度は、脂肪酸修飾構造を認識する抗体によるアフィニティ精製をラット組織抽出物より実施した。対象とする組織より抽出したペプチド画分は、脂肪酸修飾ペプチドの不安定性を考慮して、抽出後直ちに抗体アフィニティ精製を進めた。抗体アフィニティ精製の溶出画分について、高速液体クロマトグラフィーにて分離し、質量分析計を用いて分析することにより、現在、構造解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した平成25年度の研究実施計画の大部分は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に引き続き、新規脂肪酸修飾ペプチドの探索を継続する。また、現在、構造解析を進めている画分より新しい脂肪酸修飾ペプチドの同定に成功した場合、新規ペプチドの生化学的解析を行い、特異的受容体を同定し、ペプチドとその受容体との薬理学的機能解析を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画実施において、消耗品が当初積算額より少ない価格で実施できたため、消耗品費の支出が軽減できた、また、研究のための情報収集および研究打ち合わせを2回予定していたところ、1回にしたため旅費支出も少ない額となった。 次年度の消耗品の使用が予定より増えることが予想されるため、物品費に充当する予定である。
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