2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25670464
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西堀 正洋 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50135943)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 敗血症 / CLPモデル / HRG / ARDS / 致死性 |
Research Abstract |
マウスの盲腸結紮穿刺モデル(CLP)を2回穿刺(重症)と1回穿刺(軽症)に分けて作製することに成功した。重症CLP作製後の血漿中HRGレベルは、24時間後には、健常マウスの25%値にまで低下した。対照としてPBSあるいはHuman serum albuminを投与し、精製HRG投与の効果を肺組織で評価した。対照動物では、肺胞隔壁の浮腫と、肺血管うっ血、肺組織への好中球浸潤が顕著に認められたが、HRG投与(400μg/マウス、静注)で、上記の肺組織病理が顕著に抑制された。腎臓においては、対照動物で糸球体の肥大化と近位ならびに遠位尿細管の腫脹が認められた。これらの形態学的変化もHRG投与によって抑制された。ヒト末梢血から単離した好中球を用いて、試験管内でHBSS,BSA,HSA,HRG処理した後、固定を経て、細胞化学的染色あるいは、走査電子顕微鏡観察を行った。その結果、HRG処理した好中球は、小球性形態を示した。小球化した好中球では、細胞膜直下にF-actin ringが形成されておりF-actin優位であり、対照細胞がG-actin優位であったのと対照的であった。走査電子顕微鏡で、HRG処理後約15分で細胞表面微絨毛構造が消失することが明らかになった。HRG処理された好中球は、マイクロキャピラリー通過性(MC-FANによる測定)に優れていた。さらに、HRG処理した好中球は血管内皮細胞への接着が有意に低下していることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画の段階で作成した1.~4.の研究項目をほぼ実施し、非常に重要で興味深い結果を得ることができた。特に、外因性HRG投与が敗血症病態におけるARDS肺炎症を抑制するとの確実な証拠を得た。作用機序解析では、単離ヒト好中球を用いて、好中球に対するHRGの非常に強い制御作用を示すことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度において観察したヒトならびにマウス敗血症モデルにおける好中球の形態ならびに機能変化が実際に生体内で生じているかどうかについて、in vivoイメージングの手法で明らかにしていく。HRGの標的細胞として、血管内皮細胞と血小板についても検討し、敗血症病態改善作用の全体像を明らかにする。好中球細胞内シグナル解析を実施し、HRG受容体同定を試みる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3月分人件費が見込額を下回ったため。 平成26年度は、物品費(実験動物・試薬・器具類)803,473円、旅費100,000円の使用を見込んでいる。
|
Research Products
(6 results)