2013 Fiscal Year Annual Research Report
HIVインテグラーゼの多量体化と細胞側因子相互作用の阻害剤の創成と構造解析
Project/Area Number |
25670467
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
満屋 裕明 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (20136724)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | HIVインテグラーゼ(IN) / IN多量体阻害 / BiFC法 / 新規薬剤の開発 |
Research Abstract |
近年、臨床に導入されたHIVインテグラーゼ(IN)を標的とした薬剤であるラルテグラビル(RAL)は、極めて良好な抗HIV効果を発揮し、他のクラスの抗HIV剤(異なる作用機序を有する)と比較して、人体へ有害な副作用が殆ど認められない。 本研究は、(1)細胞内におけるINの4量体化メカニズムの解析と(2)RALと異なる作用機序であるINの4量体形成を阻害する薬剤の開発、及び(3)INと相互作用する細胞側因子を解析することによって、新規の抗HIV薬としての可能性を追求することを目的としている。 (1)まず、BiFC(bi-molecular fluorescent complementation)-IN assayシステムを構築し、INの多量体化形成に重要なアミノ酸変異体を作成し、それらを共焦点顕微鏡やFACSを用いて比較・検討することによって、細胞内におけるINの多量体化のメカニズム及びそのダイナミクスを明らかにした。 (2)又、すでにINの多量体形成を促進させる薬剤として報告された薬剤(compound 6,7,CX14442)を合成し、前述したBiFC-IN assayシステムを用いてINの多量体形成への影響を評価した。いずれの薬剤も明らかにINの多量体化を促進しており、その定量化されたデータから得られたEC50がMT2細胞およびHIVLAI株を用いたMTTアッセイから得られたEC50とほぼ同等の値うを示しており、多量体化形成の阻害(促進)が抗HIV効果を発揮している事実が示唆された。 (3)INは細胞側因子であるLEDGF/p75、Nup62等と相互作用することが知られており、そのINとの相互作用阻害やそれらのノックダウン細胞におけるHIVの複製は、十分に阻害されることが知られている。我々は、BiFC-IBD (LEDGF/p75) assay やBiFC-Nup62 assay を作成し、実際にINとの相互作用を確認し、それらの蛋白とINの細胞内での局在を明らかにし、ある薬剤がINの局在や蛍光輝度を変化させる(INとLEDGF/p75の相互作用阻害)事実も確認している。
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Research Products
(7 results)