2013 Fiscal Year Research-status Report
新規好中球解析手法による病態解明と革新的好中球制御法の開発
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25670472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森尾 友宏 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30239628)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 好中球 / 活性酸素産生 / プライミング / MAL / 敗血症 / 膜透過性タンパク |
Research Abstract |
1.好中球シグナル伝達経路の解明:最小刺激にて分離した健常者及び患者好中球を用いて,FcγR(CD16,CD32,CD64)シグナル伝達経路について検証を行った。好中球はFcγRを発現しIgGはそのFc部分で会合するために、それぞれに対する抗体はF(ab’)2あるいはF(ab)として用意した。LPSとの共刺激により微弱ではあるが活性酸素産生が認められることが確認され、現在刺激後の細胞内チロシンリン酸化を検出している。 2.局所浸潤型好中球からの生理活性物質産生の検討:健常人、NEMO異常患者、NADPH oxidase異常患者の好中球をG-CSFで培養し局所浸潤型好中球を誘導し、ELISAあるいはLuminex法にてサイトカイン産生を解析した。健常人と患者において、IL-4, IL-8などの産生に差を認めた。 3.膜透過性ペプチド(CPP)を用いた好中球プライミングや異常反応の制御:細胞質内滞在型MALを精製し、健常者好中球に導入することにより、そのROS産生抑制効果を検証した。 4.iPS細胞からの好中球分化誘導と機能解析:東京大学医科学研究所大津真博士の協力のもとiPS細胞から好中球への分化誘導法についてその手技を修得した。現時点ではまだ遺伝子導入などによる分化の微調節は行われていないが、活性酸素産生などの機能を発揮する好中球が得られている。 5.敗血症における好中球機能解析:本年度は平成26年度を先取りする形で、敗血症における好中球機能解析を開始した。具体的には活性酸素産生、ST2、CXCR2、PILRαの発現、細胞内基質のリン酸化、血清サイトカインなどである。その結果、敗血症患者好中球がプライミング状態にあり、また表面サイトカイン・ケモカイン受容体発現に異常を認めることなどが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
好中球シグナルの解析や膜透過性ペプチド(CPP)を用いた好中球プライミング分子機構の解析についてはほぼ予定通り進捗した。特にMALの活性酸素産生機構における機能については多角的な解析から、確実なデータが揃いつつある。一方患者検体を用いた解析は検体数に依存することもあり、少数例での検討に留まっている。サイトカイン産生に明らかな差異を認めるが解析の反復と症例の蓄積が必要である。またiPS細胞からの好中球分化誘導及び分化過程における転写因子強制発現などの実験系は大規模実験になり、着実に技術の導入や転写因子発現系の確立から進めている状況である。一方、敗血症における好中球の解析は大きく進展した。すでに20名以上の患者において、細菌感染症の種類や重症度などの情報を背景に、好中球につき最大限の情報を収集するシステムが確立した。その中で特に好中球はプライミング状態になっていることを様々な観点から明らかにし、プライミングに関与すると予想されるシグナル伝達について検討が開始された。また今までにヒトでは報告のないST2、CXCR2、PILRaの発現について明らかにし、抑制性サイトカイン産生が顕著な症例があるとのデータを得ており、研究が進んだと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.好中球シグナル伝達経路の解明:健常人および患者好中球を用いてシグナル伝達について継続して解析を行う。FcγRシグナルについては関連チロシンキナーゼを同定する。PI3Kでは関与するクラス(クラスIA, IB, IIα,β,γ)を明らかにし、MALではリン酸化や細胞内局在についての解析も加える。 2.好中球からの生理活性物質産生の検討:引き続き(シグナル関連分子に変異のある)患者検体を用いて局所浸潤好中球の機能について解析する。その中から特徴的なサイトカイン産生を誘導するシグナル経路を明らかにする。 3.CPPを用いた好中球プライミングや異常反応の制御:過剰な好中球プライミングや異常反応をタンパク導入で制御することを試みる。MALの様々な受容体シグナルにおける機能についても解析する。 4.iPS細胞からの好中球分化誘導と機能解析: 本年度は、iPS細胞分化の各段階でC/EBPα, β, Gf11, PU.1などの転写因子を導入することで、分化段階に特徴的な顆粒の発現を促進できるかを検討する。得られた好中球は、その活性酸素産生能、NETs形成能、接着因子発現などについて機能解析を行う。 5.敗血症における好中球機能・シグナル異常とその是正に関する検討:敗血症における好中球機能については、細胞内基質リン酸化と活性化チロシンキナーゼの同定などを目標に検討を行う。シグナル伝達分子の中では特にBTKの発現やリン酸化、MALの細胞内局在を検討する。これらにより問題となる部分が明らかになれば、それを是正するCPP-組換えタンパク質を作成して、その効果を検証する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] A Case of Pyogenic Sterile Arthritis, Pyoderma Gangrenosum, and Acne (PAPA) Syndrome Accompanied by Nephrosclerosis, Splenomegaly and Intestinal Lesions.2013
Author(s)
Yamamoto A, Morio T, Kumaki E, Yamazaki H, Iwai H, Kubota T, Miyasaka N, Kohsaka H.
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Journal Title
J Genet Syndr Gene Ther.
Volume: 4
Pages: 9 (eJournal)
Peer Reviewed
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[Journal Article] Rapid Detection of Intracellular p47phox and p67phox by Flow Cytometry; Useful Screening Tests for Chronic Granulomatous Disease.2013
Author(s)
Wada T, Muraoka M, Toma T, Imai T, Shigemura T, Agematsu K, Haraguchi K, Moriuchi H, Oh-Ishi T, Kitoh T, Ohara O, Morio T, Yachie A.
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Journal Title
J Clin Immunol.
Volume: 33
Pages: 857-864
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Am80, a retinoic acid receptor agonist, ameliorates murine vasculitis through the suppression of neutrophil migration and activation.2013
Author(s)
Miyabe C, Miyabe Y, Miura NN, Takahashi K, Terashima Y, Morio T, Yamagata N, Ohno N, Shudo K, Suzuki J-I, Isobe M, Matsuhima K, Tsuboi R, Miyasaka N, and Nanki T.
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Journal Title
Arthritis Rheumatism.
Volume: 65
Pages: 503-512
DOI
Peer Reviewed
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