2014 Fiscal Year Annual Research Report
ICF症候群のB細胞最終分化障害に関わる遺伝子の同定と機能解析
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25670484
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
野々山 恵章 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 教授 (40280961)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 小児免疫 / アレルギー / 膠原病学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ICF症候群ではDNAメチル化異常があり、そのためにB細胞の抗体産生細胞への分化に重要な役割を果たす遺伝子の発現異常があり、B細胞が抗体産生細胞に分化成熟できず、低γグロブリン血症になっていると考えられる。そこで、この抗体産生細胞への分化に重要な役割を果たす遺伝子を同定する目的で以下の実験を行った。 a) ICF症候群患者由来B細胞の全ゲノムメチル化アレイ解析:すでにDNAMT3B変異ないしZBZB24変異を確定している7家系のICF症候群タイプ1とタイプ2の患者及び保因者である家族、非保因者である家族、血縁関係の無い健常人より、文書による同意の下で採血を行い、末梢血B細胞のうちCD27陰性のナイーブB細胞とメモリーB細胞をFACSによるsortingで分離した。回収した細胞からDNAとRNAを抽出し、DNAはバイサルフェイト処理し、その後全ゲノムメチル化解析を行った。なお、プロモーター領域をより密にメチル化を解析できるように設計している。カバー率は、現時点では最も高精度である。全メチル化解析の結果、以下の点が明らかになった。1)正常者と患者の比較では、ICF症候群タイプ1とタイプ2の患者劇的にメチル化差異を示す遺伝子が同定できた。2)保因者は正常者に近いメチル化結果であった。3)正常者のナイーブB細胞からメモリーB細胞への分化過程の遺伝群のメチル化変化が明確に認められた。4)ZBTB24変異による患者と健常者との比較から、ZBTB24遺伝子にもDNMT3Bと同様なメチル化活性があることが判明した。b) ICF症候群患者由来B細胞の全mRNA sequence解析:a)の実験で回収したB細胞から、同時にRNAを抽出し、これを全mRNA sequenceし、発現が低下ないし亢進している遺伝子のデータを得た。c) ICF症候群タイプ1と同様にタイプ2でもCD27陽性のメモリーB細胞が完全に欠損していることを明らかにした。
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