2013 Fiscal Year Research-status Report
小児難治性てんかんの原因究明のための遺伝子解析技術を駆使した多角的研究
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25670486
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
伊藤 雅之 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所疾病研究第二部, 室長 (50243407)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 難治性てんかん / 大脳皮質形成異常 / 遺伝子 |
Research Abstract |
平成25年度の研究課題は、小児難治性てんかんの代表的疾患である大脳皮質形成異常(FCD)の病巣神経細胞DNAと同一患者血液由来DNAのCGHアレイ解析とエキソーム解析である。これに対して、研究計画にしたがって実験を行なった。 当施設内倫理問題検討委員会の承認と患者及び患者家族のインフォームドコンセントのもと、50例のFCD症例の手術検体脳組織よりDNAを抽出した。はじめに、Cell sorterによる神経細胞由来DNAの定性、定量を検討した。その結果、回収効率は10%以下であり、組織全量からのDNAと定性的にわずかな違いしかないことから、当初予定していたCell sorterによる神経細胞由来DNAによらず、組織全量のDNAを用いることとした。本年度は、エキソーム解析を中心に展開し、そこで異常がみつかった際にはサンガー法による検証を加えた。また、患者血液DNAがある症例のみCGHアレイ解析を行なった。その結果、エキソーム解析から4例に遺伝子異常が確認された。また、CGHアレイ解析は17例を行い、有意な異常はみいだせなかった。今後、遺伝子異常がみつかった症例について、血液DNAでの検証を行ない、病因性を明らかにする。また、解析症例を増やすして検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究計画を概ね遂行できた。Cell sorterによる神経細胞由来DNAの回収は、想定していた以上に複雑な工程を必要とし、その間のDNA等の喪失が少なくないことが分かった。このことは、実験開始より短期間に判明し、全量から得られたDNAと定性的に違いが極めて少なかったことと量的に十分な確保が出来たことから、実験方法を修正した。それにより、予定していた症例のエキソーム解析とGCHアレイ解析を終えることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
50症例の検索から4例の遺伝子異常がみいだされたことは、検出率8%であり、想定した数字より少ないものであった。この原因に解析感度といった技術的な問題と対象組織の質的問題が影響している可能性がある。前者においては、解析方法を変えて再度エキソーム解析をおこない、後者においては、可能な症例において再度のDNA抽出を行なう必要がある。さらに、今後新たな症例の解析追加を行ない、現在みつかっている遺伝子異常の診断的意義について検討する。
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Research Products
(1 results)