2014 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚角化異常症の治療標的としての脂質代謝-皮膚角化制御カップリング機構の解明
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25670502
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小川 靖 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (10567754)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 皮膚科学 / ケラチノサイト / エピジェネティクス / 脂質代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、表皮角化細胞の分化の過程で、脂質代謝-転写調節が協調的に制御されるカップリング機構が存在する事を証明し、その分子的な基盤を解明する事を目的としている。作業仮説として、neutral lipid storage disease with ichtyosis (NLSDI)の原因遺伝子である、CGI-58と協調的に働く皮膚特異的未知リパーゼの存在を想定し、また未知リパーゼ代謝産物が角化細胞分化を促す転写調節能を持ち、脂質代謝-転写調節環境の変化がカップリングして協調的に進行する、フィードフォワード機構を形成する事を想定した。 1. ケラチノサイト内の脂質代謝に関わり、遺伝性角化異常症の原因遺伝子でもある、CGI-58とABCA12のノックアウトマウスを用いて、表皮ケラチノサイト初代培養細胞系を確立した。セラミド、などの蛍光資質マーカーを用いて、その局在からこれら遺伝子の機能をモニターする実験系を作成した。2. 二種類のノックアウトマウスを用いて、in uteroで脂質をリガンド賭する核内受容体の各種アゴニストを投与する実験系を確立した。PPARファミリーのアゴニストを投与する実験で、明らかにモデルマウスの角化異常を改善する効果を認める事はできなかった。3. CGI-58の仮想的なパートナーとなる未知リパーゼの候補として、PNPLAファミリーを想定し、機能的なノックダウン実験を行ったが、これらがCGI-58依存性のリパーゼである確証は得られなかった。 本研究では事前の作業仮説の証明にはいたらなかったが、PNPLAファミリー以外に未知リパーゼがある可能性が示され、LIPN等の今回調べる事のできなかった候補遺伝子に対して、今後更なる検討が必要であると考えられる。
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Research Products
(2 results)