2014 Fiscal Year Annual Research Report
白皮症の治療-ナンセンス変異リードスルー効果の基礎研究
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25670504
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
深井 和吉 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20244642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國本 浩之 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80372853)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 白皮症 / ナンセンス変異 / アミノグリコシド / リードスルー / 遺伝性疾患 / 難病 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人における眼皮膚白皮症患者のうち、R278Xのナンセンス変異は9%に見られる。この変異を定常的に発現している293T細胞株をレンチウイルスベクターにより作成した。この細胞株に、リードスルー効果が期待できる、G418、ゲンタマイシン、PTC124の薬剤を投与し、発現したチロシナーゼをウェスタンブロットで解析した。ゲンタマイシンとPTC124ではリードスルー効果は観察されなかった。G418では、dose-dependentなリードスルー効果を観察した。しかし、リードスルーを生じうる濃度はかなり高濃度を要した。次に、R116X、 W236X、Q255X、 R278X、 R402の5種類のチロシナーゼナンセンス変異について、一過性発現のシステムで検討を加えた。薬剤を加えない状態でのチロシナーゼのウェスタンブロットでは、R116Xで23%もの蛋白が全長チロシナーゼを発現しており、このR116Xチロシナーゼは薬剤なしでもリードスルーを起こしていることが示された。これは、ストップコドンの次の塩基がシトシンであることが関与していると推測した。R116Xについては、定常的に発現している細胞株を作成してさらに検討を加えたが、PTC124によるリードスルーの増強は観察されなかった。PTC124によるリードスルーはTGA-Gのナンセンス変異で大きいとの報告がある。今回検討したナンセンス変異は、TGA-C (R116X)、TGA-T (R278X)であったことが、PTC124でリードスルーが観察されなかった一因である可能性を考えた。今回の研究により、R116Xは無刺激でもリードスルーが生じていることがわかった。今後、このナンセンス変異チロシナーゼが、メラニン合成に十分なチロシナーゼ活性を持ちうるのかどうかについての検討が必要であろうと思われる。
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[Journal Article] Guide for medical professionals (i.e. dermatologists) for the management of Rhododenol-induced leukoderma.2015
Author(s)
Nishigori C, Aoyama Y, Ito A, Suzuki T, Tanemura A, Ito M, Katayama I, Oiso N, Kagohashi Y, Sugiura S, Fukai K, Funasaka Y, Yamashita T, Matsunaga K.
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Journal Title
Journal of Dermatology
Volume: 42
Pages: 113-128
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] An immune pathological and ultrastructural skin analysis for Rhododenol-induced leukoderma patients.2015
Author(s)
Tanemura A, Yang L, Yana F, Nagata Y, Wataya-Kaneda M, Fukai K, Tsuruta D, Ohe R, Yamakawa M, Suzuki T, Katayama I
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Journal Title
Journal of Dermatological Science
Volume: 77
Pages: 185-188
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Major association of vitiligo with HLA-A *02:01 in Japanese2015
Author(s)
Jin Y, Hayashi M, Fain PR, Suzuki T, Fukai K, Oiso N, Tanemura A, Holcomb CL, Rastrou M, Erlich HA, Spritz RA
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Journal Title
Pigment Cell Melanoma Res
Volume: 28
Pages: 360-362
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 色素失調症の男児例2014
Author(s)
清水奈美、深井和吉、小澤俊幸、新宅治夫、河野通浩
Organizer
日本小児皮膚科学会
Place of Presentation
セルリアンタワー東急ホテル(東京)
Year and Date
2014-07-05 – 2014-07-06
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