2014 Fiscal Year Research-status Report
PETプローブのチェレンコフ光を利用した光イメージングと光治療法への技術展開
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25670528
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小川 美香子 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 准教授 (20344351)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | チェレンコフ光 / 分子イメージング / 脳機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
PETは、脳機能を評価するのに適した分子イメージング法であるが、PET装置の普及率は低く、どの施設でも基礎研究に利用できる方法とは言えない。一方、光イメージングは汎用性が高く、薬剤開発など基礎研究の分野において広く利用されているが、血液脳関門を通過する低分子量の光プローブを作成することは困難であり、脳機能の評価は難しい。そこで、まず、PETプローブから放出されるチェレンコフ光を利用した、脳イメージングを試みることとした。 平成26年度は、脳の受容体機能を光イメージングにて評価できるかについて検討をした。すなわち、ドパミンD2受容体のイメージング剤である[11C]racloprideおよびドパミントランスポーターイメージング剤である[11C]beta-CFTを用いたチェレンコフ光イメージングを試みた。 前年度までの検討より、マウスの頭髪を剃毛する必要性が示唆されていたため、頭髪を剃毛したマウスを用いて検討を行った。非侵襲性を確保するため頭皮はそのままにした。[11C]raclopride 7.4 MBgをマウス尾静脈から投与後、8分毎2分間隔にて光イメージング装置にて撮像した。さらに受容体への特異的結合を観察するため、ハロペリドールの負荷試験も行った。[11C]beta-CFTについては、1.85 MBqを投与後同様に撮像した。 この結果、[11C]racloprideにおいて、D2受容体が多く存在する線条体での特異結合を見ることができた。[11C]beta-CFTについては脳への取り込み率が[11C]racloprideより高いため、より明確な画像を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定どおり、PETプローブが放出するチェレンコフ光を利用した脳のチェレンコフ光イメージングに成功した。特に、ダイナミック画像収集をすることにより、脳の受容体密度の測定、定量化の可能性を示唆することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度以降は、これまでの結果をもとに、PITと[18F]FDGによる癌の超特異的治療についての検討を進める。すなわち、癌へ集積した[18F]FDGから放出されるチェレンコフ光により、光応答性分子プローブの光励起を行う。これにより、さらなる特異性の向上と深部癌の治療を目指す。まず、培養腫瘍細胞を利用し、IR700結合抗体を細胞に取り込ませた後、[18F]FDGを加え、本方法による腫瘍細胞殺傷効果について、FACSなどを利用した検討を進めていく。さらに、担癌マウスを用いて、インビボでの検討を行う。この際、PITのメカニズムを明らかにすることで、より効果的な治療法の開拓を目指す。
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Causes of Carryover |
本年度まで脳機能イメージングを継続して行ってきた。次年度には癌へと展開するにあたり、研究環境を整える必要が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
細胞培養器具、光治療用器具・消耗品などを購入予定である。
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Research Products
(2 results)