2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670529
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 誠一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00290768)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | PET / チェレンコフ光 / 複合イメージング装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
チェレンコフ光イメージングは、高感度カメラを用いてベータ線放出核種から放出される高速電子線により発生する微弱光を画像化する手法であり、核種の近くで多く発光するため、飛程の影響が少なく高い空間分解能の画像が期待できる。PETとチェレンコフ光の同時測定が可能な複合イメージング装置が開発できれば、PETとの比較によるチェレンコフ光イメージングの有効性を明らかにできるだけでなく、それぞれの長所を生かした新しい分子イメージング装置になりうる可能性がある。そこで同時測定が可能なPET/チェレンコフ光・複合イメージング装置を開発し、性能評価を行った。 PET/チェレンコフ光・複合イメージング装置は、対向型PET装置の検出器間に反射鏡を斜めに配置し、被検体の発するチェレンコフ光を、対向型PET装置の側方に導き、高感度CCDカメラで撮像する構成とした。対向型PET装置は、1.2x1.2x10mmのGSOを33x33マトリクスに配置したシンチレータブロックを2インチ角型位置有感型光電子増倍管(PSPMT:浜松ホトニクス社製H12700)に光学結合した検出器2式を10cm離して配置することで構成した。被検体はその中間に配置し、被検体から上方に発せられるチェレンコフ光を、被検体上部に配置したプラスチック製反射鏡により側面方向に導き、側面に配置した高感度CCDカメラ(浜松ホトニクス社製:ORCA2-ERにF:0.95のレンズを装着)で同時撮像を行った。 開発したPET装置の視野中心部の空間分解能は~1.3mmFWHM、感度は~0.25%であった。一方、チェレンコフ光イメージング装置の空間分解能は~0.2mmFWHMと極めて高いことが明らかになった。開発した装置を用いて種々の被検体に対する同時測定を行ったところ、チェレンコフ光の超高分解能画像とPET画像を同時同位置でイメージングでき、融合画像も作成可能であった。開発した装置は、新しい分子イメージング機器として期待できることが明らかになった。
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Remarks |
チェレンコフ光撮像法は原理的にポジトロン核種の分布を極めて高い空間分解能で計測することが可能です。しかし、生体内部から発する多重散乱された光を検出することになり画質が劣化するため,分子イメージング研究における有用性は未だ不明なままです。今回,世界で初めて対向型PET/チェレンコフ光一体型撮像装置を開発し,対向型PET装置による画像とチェレンコフ光画像の同時測定を可能にしました。
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