2015 Fiscal Year Annual Research Report
動脈屈曲症候群ATS原因遺伝子GLUT10輸送基質同定からの疾患発症因子の解明
Project/Area Number |
25670600
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
福田 宏嗣 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70526269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安西 尚彦 千葉大学, 医学部, 教授 (70276054)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 動脈屈曲症候群 / 遺伝子変異 / トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈瘤や動脈解離は、若年成人における突然死などの原因として重要であり、それらは突発性に生じることもあれば、Marfan症候群など家族性疾患の一部として生じることもある。稀な家族性動脈瘤症候群の遺伝的基盤の評価は、血管病発症の分子機序の理解につながるだけでなく、より分子特異的な標的に対する薬物療法開発に導く可能性がある。本研究は動脈屈曲症候群ATS原因遺伝子として知られるグルコーストランスポーター10 (SLC2A10)のタンパク質としての機能、特に物質輸送能の解明から、血管病発症機序の解明と新規治療法開発のための標的分子の同定を行うことを目的として進められた。 本事業期間において、アフリカツメガエル卵毋細胞を用いたGLUT10の輸送活性の解明を試みた。初年度である平成25年度にRI標識adenosine (0.5 uM)負荷によりGLUT10発現卵母細胞ではcRNAの代わりに水を注入した対照卵母細胞に比し有意な取り込み増加を認め、ヌクレオシド輸送活性を見出し、GLUT10は細胞膜上に発現することを確認した。そこでATSで同定されている6つのアミノ酸置換を伴う変異体の作成に移った。2年目になる平成26年度に変異体の機能解析に進む予定であったが、GLUT10発現卵母細胞での有意なヌクレオシド輸送が得られない状態となり、指標輸送基質の変更が必要となった。その結果RI標識グルコースが有意な取り込みを示すことがわかり、補助事業期間の延長を申請し承認を得た。しかし最終年度になる平成27年度、有意なグルコース輸送活性を得ることができず、GLUT10 cRNAの再作成などを試みたが、状況の改善には至らず事業期間終了を迎えた。
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