2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳微小血管内皮細胞の老化、細胞特性におけるSIRT1の病態的役割についての解明
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25670612
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
寳金 清博 北海道大学, 大学病院, 教授 (90229146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 若樹 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40421961)
数又 研 北海道大学, 大学病院, 講師 (60634144)
鐙谷 武雄 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (80270726)
七戸 秀夫 北海道大学, 大学病院, 助教 (80374479)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳微小血管 / 細胞老化 / SIRT1 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウシ脳微小血管内皮細胞(BMEC)を使用し、5継代の正常BMECと15継代の過継代 BMECを用いて、酸素グルコース欠乏(OGD)3時間刺激における細胞応答の違いを経時的に比較し、細胞老化の影響とSIRT-1の発現の関連を検討した。 ①cell viabilityの検討・・live and dead kitを使用して検討を行ったが、正常BMECに比べて過継代BMECにおいて、OGD刺激後に経時的にlive cells が少なくなり、 dead cellsが多くなっていた。②アポトーシスの検討・・FLICA kitを使用してアポトーシスの発生の状況を検討したが、正常BMECに比べて過継代BMECにおいて、経時的にアポトーシスがより発生していた。③活性酸素産生(ROS)についての検討・・DHEを用いてROS産生の状況を検討した。その結果、正常BMECに比べて過継代BMECにおいてROS産生の著しい増加を認めた。この産生増加はOGD直後、すなわち再酸素化0時間が最大で、その後経時的に減少した。一方、正常BMECでは4~6時間で軽度増加した。ミトコンドリア由来ROSを認識するMitoTrackerを使って測定すると、過継代BMECではDHEで測定した時の変動と同様の変動を示し、過継代BMECのROS産生増大はミトコンドリア由来と考えられた。一方、正常BMECではMitoTrackerでは変動に乏しく、DHEでのROS産生の変動はミトコンドリア由来ではないと考えられた。④SIRT-1発現の検討・・ウエスタンブロッティングにてSIRT-1の発現を測定した。過継代BMECでは発現量が少なく、ほとんど変化しなかったが、正常BMECでは、2~4時間で発現の増加を認めた。 上記の結果からは、過継代BMECでは、OGDの刺激に対して、ミトコンドリア由来ROS産生増加と細胞障害性変化を起こしやすいことが分かった。一方、正常BMECではOGDの刺激の後にSIRT-1の発現亢進が一過性にみられたが、これは細胞保護的に作用している可能性が考えられた。現在、この結果をまとめて、学会発表と英語論文の準備をしている。
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