2013 Fiscal Year Annual Research Report
糖代謝を新規標的としたがん幹細胞制御によるグリオブラストーマ根治への挑戦
Project/Area Number |
25670615
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
北中 千史 山形大学, 医学部, 教授 (70260320)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | glioma-initiating cell |
Research Abstract |
糖代謝を標的とし単純なエネルギー枯渇を狙ったがん治療は古くから試みられてきたが、期待されたような効果が得られず近年あまり顧みられることがなくなってきた。これに対してグリオブラストーマ(GBM)幹細胞に関するごく最近の我々の研究成果は、全く偶然ながら、糖代謝がGBM幹細胞の幹細胞性質維持に関与している可能性に世界に先駆けて光を当てるものとなった。そこで本課題ではグリオブラストーマ幹細胞維持における糖代謝の役割について検討を行うことを目的とし、そのため、細胞内の糖代謝に関わる分子の阻害薬やsiRNAを用いて糖代謝を抑制し、幹細胞マーカーや分化マーカーの発現等につき検討を行った。また、平行してヌードマウスへの移植実験により、糖代謝抑制がグリオブラストーマ幹細胞の腫瘍形成能に与える影響についても検討を行った。糖代謝に関わるある種の分子の阻害薬を用いて当該分子の機能抑制を試みたところ、AMPKの活性化が観察され、この分子の抑制が効率よくグリオブラストーマ幹細胞内のATPを枯渇させ、ADP/AMPを増加させていることが推測された。このような条件下で種々のパラメータにつき検討を行ったところ、グリオブラストーマ幹細胞の幹細胞状態に影響を与えている可能性を示唆する変化が検出された。そこでこういった変化が実際に予想した分子の機能変化により生じているものかを確認するため、当該分子をコードする遺伝子に対するsiRNAを用いてノックダウン実験を行っている。
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