2013 Fiscal Year Research-status Report
放射線治療抵抗性脳腫瘍細胞の代謝と遊走を電子スピン共鳴でライブイメージングする
Project/Area Number |
25670616
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
盛武 敬 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 准教授 (50450432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 康次 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90188615)
平山 暁 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (20323298)
松本 孔貴 独立行政法人放射線医学総合研究所, その他部局等, 研究員 (70510395)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電子スピン共鳴 / がん幹細胞 / 細胞周期 |
Research Abstract |
悪性脳腫瘍の示す放射線治療抵抗性の原因として、脳腫瘍幹細胞が酸化的リン酸化と解糖系による代謝を使い分けるスイッチ現象や、照射を契機として細胞の遊走による照射野外への逃避の関与が報告されている。そこで電子スピン共鳴(ESR)によるin vitroライブイメージング法の開発により細胞の代謝を解析する。本年度は細胞観察用水平型共振器の開発を行った。通常ESRの共振器は地面に対して垂直に試料を挿入する設計になっているが、スライドグラス上に培養した細胞を観察する際は、細胞が重力で下方に移動することを避けなければならない。そこで少量の水分を残し細胞を湿潤状態のまま観察出来るように共振器部分を改造した。具体的には(a)磁場勾配コイルの位置変更、(b)共振器の向きの変更、(c)マイクロ波導入経路を変更した新たな導波管の設計を実施完了した。また、予備実験としてバルクの細胞を用いて細胞周期、幹細胞性質による代謝の違いを解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)電子スピン共鳴の共振器の改良を実施し、磁場勾配コイル位置変更、共振器向き変更、マイクロ波導入経路変更を完了できた。 2)細胞イメージングの予備実験として、細胞周期依存的放射線抵抗性の評価と、電子スピン共鳴による細胞還元能の評価を実施し、電子スピンサイエンス学会(2013)に成果の一部を発表し、優秀発表賞を受賞した。 3)幹細胞性質を有した髄芽腫培養細胞株の放射線抵抗性と細胞の持つ抗酸化能の相関を解析し、国際フリーラジカル学会(2014)で成果の一部を発表し、Young Investigator Awardを受賞した。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度は改造した水平共振器型電子スピン共鳴による培養細胞の観察を実施し、放射線によるDNA損傷を蛍光・電子スピン共鳴の二つの同時解析を実施することを目指す。また、細胞の遊走能を解析し代謝と転移のモデルを確立したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
9月1日付けで研究代表者が産業医大に異動、5月1日付けで分担研究者が筑波大に異動となり、会計の締め、示達までの時間差などが生じ、若干予算の消化が遅れた。 研究内容に遅滞は無く、H26年度は順調に成果を重ね、併せて予算を消化できる見込みである。
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