2013 Fiscal Year Research-status Report
分泌型microRNAによる脳血管攣縮機構の解明と新規バイオマーカーの同定
Project/Area Number |
25670624
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
溝口 昌弘 九州大学, 大学病院, 講師 (50380621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 雄一郎 九州大学, 大学病院, 助教 (80423515)
中溝 玲 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80529800)
天野 敏之 九州大学, 大学病院, 助教 (70448413)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳血管障害 / 脳血管攣縮 / くも膜下出血 / microRNA / early brain injury |
Research Abstract |
ラットくも膜下出血(SAH)モデル作成:網羅的microRNA解析を目的にラットSAHモデル作成に着手した。SAHモデル作成に用いたラットは42匹、control群などに用いたラットは17匹、麻酔死などで使用できなかったラットが3匹であった。外頸動脈からナイロン糸を挿入し、順行性に内頸動脈分岐部を損傷した。SAH群のラットは、20分,1, 3, 6, 24, 48時間経過した時点で灌流固定を行った。Sham群では死亡したラットは存在しなかったが、SAH群のラットでは全42匹中8匹で死亡した(mortality 19%)。死亡した8匹のうち、3匹はほぼ即死であり、20分以内の死亡数は8匹のうち3匹であった(mortality 38%)。24時間経過した時点でのラットの死亡数は、全6匹中5匹であり(mortality 83%)、最も死亡率が高かった。その他のtime pointで死亡したラットは存在しなかった。血腫の量、分布はラット毎にかなりのばらつきがあったが、全42匹のうち14匹(41%)のラットで中等度以上のSAH発症に成功した。 ウサギSAHモデル脳底動脈遺伝子発現解析:ウサギSAHモデル脳底動脈における経時的遺伝子発現変動を網羅的に解析した(day0,3,5,7)。パスウェイ解析にて、脳血管攣縮の初期に“cellular growth and proliferation” “cellular movement” “cellular development” に関与している遺伝子が変動し、脳血管攣縮の極期に “cell-to-cell signaling and interaction” “cell death” “antigen presentation” に関与する遺伝子が著しく変動していることを同定した。さらに詳細な解析を加え、くも膜下出血後の脳血管において発現変動する上位3遺伝子を同定した。 動物モデルより全血採取および分泌型microRNA発現解析:ラットSAHモデル、マウス脳腫瘍モデルより心房穿刺にて全血を採取し、microRNA抽出、分泌型microRNA発現解析が可能かを検証した。マウス腫瘍モデルにおいて、腫瘍特異的miR-21の高発現を同定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラットSAHモデル作成に着手したが、安定したSAHモデル作成を確立するために時間と費用を要した。しかし、動物モデルからの全血採取、microRNA発現解析は腫瘍モデルで確立し、SAHモデルでも解析可能な状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
くも膜下出血、脳血管攣縮の病態解明、バイオマーカー同定を目指し、今後はearly brain injuryにも着目し、研究を進める。Early brain injuryの指標として、中枢神経系に豊富に含まれるmiR-124, -9, -128等を候補microRNAとし、動物モデル、臨床検体(血清、髄液)を用いて発現解析を進める。順調に解析が進めば、網羅的microRNA発現解析を基に、新たな候補microRNAを同定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物モデル、臨床検体を用いた研究であり、最終的に次年度使用額が生じた。 今年度、動物モデル、解析法は、ほぼ確立しており、同様に動物モデル、臨床検体を用いて解析を継続する。
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Research Products
(5 results)