2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670639
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
野田 政樹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50231725)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ストレス / アドレナリン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢とストレスに関わる新しい複合的なG蛋白カップル型受容体制御系(GPCR)の解析として副甲状腺ホルモンによるβ2アドレナリン受容体の発現の解析を進展させた。β2アドレナリン受容体は生体及び細胞のストレスに関わる受容体であり、また申請者が明らかにした如く副甲状腺ホルモンの受容体と相互作用をし、骨の形成の作用の上で必須の受容体であることが見出されている。副甲状腺ホルモンの存在下でβ2アドレナリン受容体の変化を検討し、早期の1時間以内に副甲状腺ホルモンがβ2アドレナリン受容体のレベルを骨芽細胞で低下させること、またこの低下は6時間までにもとのレベルに復帰することが見出された。この副甲状腺ホルモンによるβ2アドレナリン受容体の抑制は用量依存性であり、0.1nMレベルから100nMレベルまでの範囲で徐々にその抑制が増強するパターンを示した。加えて、副甲状腺ホルモンによるβ2アドレナリン受容体の発現に関する抑制は転写の阻害をDRBによって行うとその作用が消え、また一方で、タンパク質合成阻害剤であるサイクロへキシミドの存在下でも抑制が尚見られたことから、何らかの転写のレベルを介し、また新しいタンパクの合成を介しない経路の存在することが推察された。このβ2アドレナリン受容体の副甲状腺ホルモンによる抑制がいかなる意義を持つかについて検討するために、si-RNAを用いてAdrb2をノックダウンした状態でPTHを作用させると対照ではPTHによるc-fosの発現が1時間で上昇するのに対し、β2アドレナリン受容体の定常レベルをsi-RNAで抑制されたノックダウンではこのc-fosに対する発現がより亢進することが見出された。
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