2013 Fiscal Year Annual Research Report
滑膜肉腫特異的融合遺伝子産物によるエピジェネティック制御破錠の分子基盤の解明
Project/Area Number |
25670643
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 友久 京都大学, 再生医科学研究所, 講師 (50301247)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸口田 淳也 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (40273502)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 滑膜肉腫 / エピジェネティクス / 遺伝子発現制御 / クロマチン修飾 / タンパク質間相互作用 / がんの起源細胞 |
Research Abstract |
これまでに申請者の所属する研究室では、SS18-SSX により正に制御される遺伝子の候補として、FZD10 遺伝子を同定していた。そこで、FZD10 の遺伝子発現制御機構をエピジェネティック制御にフォーカスして解析を行った。その結果、 (1)SS 細胞株で SS18-SSX に対する siRNA によって SS18-SSX の発現を抑制すると、FZD10 の発現が低下した。この時、SS18-SSX の発現と連動して FZD10 プロモーター領域のクロマチンの修飾の状態が、所謂、活性化型である H3K4me3 から抑制型である H3K27me3 に変換することが ChIP 解析により明らかになった。また、同時に遺伝子発現の活性と相関するといわれているヒストンのアセチル化も低下した。 (2)融合遺伝子が陰性である肉腫細胞株に SS18-SSX を発現させると、FZD10 の発現が誘導された。この時、FZD10 のプロモーター領域のクロマチンンに SS18-SSX が結合していることを ChIP で確認した。 (3)正常ヒト線維芽細胞の初代培養に SS18-SSX を強制発現しても FZD10 の発現は誘導できないが、HDAC 阻害剤の存在下では誘導された。この時、FZD10 のプロモーター領域のヒストンのアセチル化が上昇していた。 以上のことから、FZD10 の発現誘導は SS18-SSX がクロマチンに直接的に作用してクロマチンの修飾状態を抑制型から活性化型へ変換することが分子的基盤であると考えられた。 そこで、更に、その分子的実態を解明するために GST-SS18SSX タンパク質を作製、精製して、SS の核抽出液を用いて pull-down 法を行った。結果、SS18-SSX と相互作用するクロマチン修飾因子を1つ同定し、FZD10 の発現制御への関与を示唆する結果も得られた。
|
Research Products
(3 results)