2015 Fiscal Year Annual Research Report
臼蓋形成不全症とミトコンドリアDNAハプロタイプの関連の解明
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25670647
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅野 伸彦 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (70273620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 周久 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), その他部局等, その他 (40432421)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 臼蓋形成不全 / ミトコンドリアDNAハプログループ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、股関節疾患、特に臼蓋形成不全症におけるミトコンドリアDNAハプログループ分布の解析を目的として計画された。臼蓋形成不全症は変形性股関節症を引き起こす骨盤骨格の形成不全であり、日本人に比較的多いとされる。同じアジア圏内である中国や韓国でも報告は多くなく、イギリスやフランスなどの西洋諸国との比較でも日本人に多く、西洋では少ないとされている。この原因として遺伝的要因を考え、我々はミトコンドリアDNAハプログループに注目した。ミトコンドリアDNAハプログループの分布が各国によって異なっているため、この違いと臼蓋形成不全症の発症頻度との関連の解析が本研究の目的である。平成25~27年度は、所属機関におけるヒトゲノム研究プロトコールに沿って、検査試料の採取、委託業者によるミトコンドリアDNAハプログループの解析がなされた。平成27年度、本研究終了時点で、139サンプルの解析をおこなった。我々のサンプルのミトコンドリアDNAハプログループの分布を、Tanakaらの日本人1312人のその分布と比較をしたところ、グループAにおいては我々の解析では10.8%に対して、Tanakaらのそれは6.9%、グループDが29.5%に対して37.4%、グループGが12.9%に対して6.8%であった。これらの違いが臼蓋形成不全症の発症にどのように関わるかは不明であるが、我々の解析した集団が小さいため、さらなるサンプル数の増加による解析が必要と思われた。
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