2014 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷に対する自然免疫賦活化による神経保護に関する研究
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25670660
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
中村 耕三 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), センター, 総長 (60126133)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 炎症反応 / 脊髄損傷 / 動物実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
LPS preconditioningにより、損傷脊髄におけるmacrophage/microgliaのM1/M2活性型のバランスが変わり神経保護・修復効果が得られる、という仮説を立て、LPS preconditioningをマウス脊髄損傷モデルに対して施行し、macrophage/microgliaの活性型の解析を行った。 脊髄組織におけるM1およびM2マーカー発現の評価を行ったところ、脊髄損傷1、 3日後に、M2マーカーであるarginase1のmRNA発現上昇が、PC群で有意に認められた。ELISAでも、脊髄損傷後1、 3日後に、arginase1の蛋白濃度がPC群で高かった。脊髄損傷3日後の免疫組織染色では、Iba1およびarginase1の2重陽性細胞、すなわちM2細胞の数がPC群で多かった。 LFB染色では、PC群で脊髄損傷後1週から2週にかけて損傷部の縮小が認められ、損傷後6週においてもPC群の損傷面積はcontrol群と比較して小さい傾向にあった。脊髄損傷後3週以降で、PC群において良好な後肢運動機能が認められた。 さらに、M2活性化の主な誘導因子として知られているIL-4、IL-10、IL-13のmRNA発現を調べた。すると、IL-4、IL-13のmRNA発現は差が無かったのに対し、IL-10のmRNA発現が、脊髄損傷12時間後の急性期にPC群で上昇していることが分かった。さらに、転写因子としてIL-10発現を調節するとされるIRF-3について、Western Blottingでリン酸化IRF-3の蛋白量を、IRF-3 activity ELISAで、活性型IRF-3の蛋白量を定量評価した。脊髄損傷12時間後においてpIRF-3および活性型IRF-3の蛋白量が、PC群で有意に上昇していた。
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