2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25670668
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
河野 達郎 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00313536)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | タニケットペイン / フラビン蛋白蛍光イメージング / 脊髄後角 / 大脳体性感覚野 |
Research Abstract |
正座した後など四肢の一過性虚血後のしびれを経験するが、この虚血によるしびれ発生機序はよくわかっていない。1つには、一過性虚血後に末梢神経の過活動が起こり、異常感覚が発生する末梢性機序が考えられている。他の可能性として、末梢神経障害後数時間以内に観察される神経障害性疼痛の機序と同様、虚血中の伝導障害により脊髄で可塑性変化が起こり、異常感覚が起こる中枢性機序が考えられる。この機序を解明するため、経頭蓋フラビン蛋白蛍光イメージングによるマウスの体性感覚野応答の解析を行った。 7~9週のC57BL/6Nマウスにウレタン1.65 mg/kgを腹腔内投与し麻酔した。頭皮を切除後、頭蓋骨に固定具を接着した。頭蓋骨は乾燥により透明性を失うため、流動パラフィンを塗布し乾燥を防いだ。暗室内の顕微鏡下にマウスを置き、CCDカメラで取り込んだ画像を解析した。 左後肢足底に振動刺激を与えると、右体性感覚野にフラビン応答を確認した。左後肢大腿にカフを装着し、250 mmHg×30分圧迫による虚血を行い、その後カフを開放した。虚血の間は、振動刺激によるフラビン応答はほぼ完全に消失したが、開放後は速やかに回復した。さらに、その反応は虚血前よりも増強した。この反応の増強は一過性虚血後の異常感覚を反映していると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一過性後肢虚血中のマウス体性感覚野のフラビン応答の消失、および虚血後のフラビン応答の増強を確認できたことにより、研究はおおむね順調に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
体性感覚野に加え、脊髄も関与している可能性を検討する必要がある。そのため、一過性後肢虚血による脊髄でのフラビン応答、および行動実験でのしびれの評価 (閾値の低下)も行いたい。さらに、これらの現象がどのようなメカニズムで起きているのかも解明していく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は機器のセットアップを主に行ってきた。そこで、消耗品として使用する予定であった金額が次年度に生じた。 今年度はデーター取得を行っていく予定であり、昨年度より持ち越された金額を使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)