2014 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱上皮内癌の診断のための可視光応答型光触媒ナノ粒子の開発研究
Project/Area Number |
25670684
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
窪田 吉信 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10106312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢尾 正祐 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00260787)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膀胱癌 / 光力学治療 / 光触媒 / ヘマトポルフィリン / 可視光応答型光触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、可視光応答型光触媒を表面化学修飾によりナノサイズ微粒子化させ、ヘマトポリフィン類を付加することにより、膀胱癌の診断面に応用することを試みることを目的としている。<研究成果>1.光触媒酸化チタン(Ti02)粒子にすでに開発している方法でポリエチレングリコール(PEG)の付加体を作成し、更にこのPEG一酸化チタンにヘマトポルフィリン(Hp)をリンカー分子を介して結合したPEG-Ti02-Hp化合物を作成できた。2.この化合物の科学的な基礎評価を行った結果、作成した色素‐酸化チタン複合体は50nm程度でよく分散し、励起によって赤色蛍光を示した。さらにHpを酸化チタンと複合化することで励起および蛍光スペクトルの変化が起きた。相対的に500~570付近の励起ピークが小さくなった。また、これら粒子はPHによって溶解性が大きく異なり、アルカリ側で溶解性が高く、蛍光強度も大きかった。また、光触媒Ti02粒子に生体組織成等による吸収の影響を受けにくい近赤外光で測定できる蛍光色素であるCy7付着体も作成できた。3.更に平成26年度は特に様々な大きさと形状の異なる色素複合体粒子を作成し、これらを膀胱癌細胞へ投与し、細胞内からの蛍光の確認を行ったところ、細胞質内からの蛍光を確認できた。また、HP単独投与よりも明らかに強い蛍光強度を示した。4.蛍光強度は結合させる色素濃度及び作用時間依存的に強い蛍光を出すことが明らかになった。5.特に均一な球状の粒子や、可視応答型光触媒粒子を用い、利用できることも明らかにした。6.上記より色素光触媒複合体微粒子の細胞癌術中診断への適用が可能であることが明らかになった。 <今後の検討>リンカー分子の種類によっては細胞中の化合物粒子の安定性が減少し、蛍光が減弱する現象も見られ、最適リンカーの検討の必要性があると考えられた。また、今後臨床応用に向けこれらの化合物の毒性評価を行い、最適な粒子を選択する。
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Research Products
(2 results)