2013 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子マスターレギュレーターSATB1の頭頸部癌遺伝子発現制御機構
Project/Area Number |
25670713
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
近藤 悟 金沢大学, 大学病院, 助教 (70436822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇坂 尚宏 金沢大学, 大学病院, 講師 (70377414)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | SATB1 / LMP1 / EBV / 上咽頭癌 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
平成25年度には、それ以前の予備実験で得られたEBウィルスLMP1発現細胞とSATB1発現細胞の局在が一致したという事実に基づき、上咽頭癌病理組織においてLMP1およびSATB1の発現について検討を行った。 金沢大学附属病院耳鼻咽喉科頭頸部外科に保存されている上咽頭癌のパラフィンブロックより未染スライドを作成し、連続切片でLMP1、SATB1の免疫染色を行った。75例においてLMP1とSATB1の染色は中等度の相関性があることが判明した。同様の切片において、EBNA1, EBER-ISHならびにEBNA1とLMP2Aの免疫染色を行ったがSATB1と相関性は認めなかった。 臨床パラメーターと相関するか解析をおこなったがSATB1は予後には関連性は認めなかった。しかしながら、頸部転移の有無において、LMP1もSATB1も頸部転移陽性例で陽性例が多いことが判明した。現在、この事象について更に統計学的に解析中である。 また、複数のEBV陽性上皮系細胞においてLMP1の発現に伴ってSATB1の発現が蛋白、RNAレベルで増加していることが判明した。 LMP1を強制的に発現した上咽頭細胞AdAHをSiRNAによってSATB1の発現を抑制すると、寒天培地におけるコロニー形成が抑制され細胞増殖能が抑制されることが分かった。また、無血清培地に培地を変更した上でMTTアッセイを行うと、アポトーシスが誘導されることが複数の細胞において確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた通り、上咽頭癌のEBV関連遺伝子ならびにSATB1の免疫染色を行う事が遂行できた。またEBV陽性上咽頭細胞において、SATB1の発現をsiRNAで抑制する実験系についても構築することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き上咽頭癌細胞を使用し分子生物学的なメカニズムを解析予定である。また、上咽頭癌のみならず、喉頭癌や口腔癌、甲状腺癌においてもSATB1の発現は増強している可能性が考えられるため、病理組織における免疫染色、細胞を使用して試験管内レベルでのメカニズムを解析予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験計画が当初よりすすんでいるが、予想したよりも順調に結果が出たため当初予定した予算よりも平成25年度の物品費が安価となった。 引き続き喉頭癌、口腔癌、甲状腺がんにおけるSATB1の病態生理を解明する実験遂行のため、免疫染色に使用する予定である。
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